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狩猟シーズン中の登山注意|解禁日・目立つ服装・くくりわな・鳥獣保護区の見分け方

写真:9689tatsuya, Wikimedia Commons(CC BY 4.0)/秋に染まる那須岳周辺

狩猟シーズン中の登山注意|解禁日・目立つ服装・くくりわな・鳥獣保護区の見分け方

晩秋から冬にかけての登山では、日没や冷えに加え、狩猟シーズン中の注意も計画に入れたいポイントです。環境省の狩猟期間(北海道以外は原則11/15〜翌2/15など)、兵庫県・奥多摩ビジターセンターの入山者向け注意、目立つ服装・音・土日祝・くくりわな・鳥獣保護区の見分け方を公式情報ベースで整理します。

目次

  1. 結論|狩猟シーズンは「解禁日・目立つ色・道を外れない」の三点セット
  2. 公式の狩猟期間|法の期間と、施行規則で短縮された原則
  3. 登山者がやるべき具体策|色・音・道
  4. 目立つ服装(迷彩・白いタオルを避ける)
  5. 音で存在を知らせる
  6. 道を外れない・猟犬に注意
  7. 場所の見分け|鳥獣保護区でも「周辺・道外」は別問題
  8. くくりわな|標識付近に近づかない
  9. 土日祝は狩猟者が増えやすい
  10. 入山前チェックフロー
  11. 参考リンク

結論|狩猟シーズンは「解禁日・目立つ色・道を外れない」の三点セット

晩秋から冬にかけての登山で見落とされやすいのが、狩猟シーズン中の入山マナーです。日没の早さ(晩秋の日没とヘッドライト)や冷え(秋山の低体温症)、施設の冬季休業(施設が閉まる晩秋)と同じく、カレンダーに一度書き込んでおくと計画が崩れにくくなります。

結論から言うと、登山者が押さえるべきは次の三点です。

  1. いつからいつまでかを、環境省の原則と行く都道府県の公式の両方で確認する
  2. 迷彩や暗い色・白いタオルを避け、赤・オレンジ・蛍光など目立つ服装にする
  3. 登山道を外れず、くくりわな等の標識付近に近づかない。土日祝は特に注意する

狩猟は個人の趣味だけでなく、鳥獣の個体数調整や農林被害防止の役割もあります(奥多摩ビジターセンターの注意喚起)。登山者側ができるのは、「自分が人だと遠くから分かる状態で、道の上を歩く」ことです。

晩秋に紅葉した那須岳周辺の山並み
落葉が進む晩秋〜冬は見通しが変わる一方、狩猟期間と重なる地域が多くなります。写真:9689tatsuya, Wikimedia Commons(CC BY 4.0)

公式の狩猟期間|法の期間と、施行規則で短縮された原則

環境省の「狩猟制度の概要」によると、鳥獣保護管理法に定められた狩猟期間は、主として安全確保の観点から、毎年10月15日(北海道は毎年9月15日)から翌年4月15日までとされています。

ただし鳥獣の保護の観点から、施行規則により次のとおり短縮されています。

区域 原則の狩猟期間 猟区内
北海道以外 毎年11月15日〜翌年2月15日 毎年10月15日〜翌年3月15日
北海道 毎年10月1日〜翌年1月31日 毎年9月15日〜翌年2月末日

さらに、対象狩猟鳥獣や都道府県によっては猟期を延長または短縮している場合があるため、環境省は「登録都道府県にご確認下さい」と明記しています。登山の計画では「全国一律の確定日」として使わず、行く山がある都道府県の公式ページ(猟期延長の告知、鳥獣保護区等位置図など)を出発直前に開き直してください。

北海道以外と北海道、原則と猟区内の狩猟期間の違いを月軸で示したカレンダー模式図
環境省「狩猟制度の概要」に基づく期間の模式図。都道府県・対象鳥獣で前後するため、公式の再確認が前提です。作成:山日記

奥多摩周辺では、ビジターセンターが11月15日〜翌年2月15日(一部区域はニホンジカのみ2月末まで)と案内しています(奥多摩VC 狩猟期間の注意)。兵庫県の入山者向けページでも、例年11月15日前後からのシーズンとして注意喚起が出ています(兵庫県 入山者のみなさんへ)。同じ「11/15スタート」でも、シカ等の延長がある地域では終了日がずれる点に注意してください。

登山者がやるべき具体策|色・音・道

都道府県の入山者向け注意は、表現がほぼ共通しています。兵庫県と奥多摩VCを軸に整理します。

目立つ服装(迷彩・白いタオルを避ける)

兵庫県は、入山時に迷彩服などを避け、できるだけ目立つ服装を心がけるよう求めています。あわせて白いタオルはシカの尾と間違えられやすいので注意するよう明記しています(兵庫県 事故防止/西宮市の同趣旨案内:西宮市 狩猟シーズン事故防止)。

奥多摩ビジターセンターも、赤やオレンジ色の目立つ服を着ること、ラジオをかけるなど自分の存在を知らせる工夫を求めています(奥多摩VC)。

登山ウェア全般の「派手な色」の意味は、視認性・救助・はぐれ対策としても整理できます(登山の服はなぜ派手な色が多い?)。狩猟シーズンは、そのうち「狩猟者から人だと分かる色」を優先するイメージです。レイヤリングの中間着やレインの色を赤・オレンジ・蛍光系にしておくと、荷物を増やさずに視認性を上げられます(レイヤリング/初心者の装備ガイド)。

山岳地帯の谷を歩く、赤い上着の登山者
赤やオレンジなど背景と差の出る色は、樹林帯でも人の位置を把握しやすくします。写真:Vyacheslav Argenberg, Wikimedia Commons(CC BY 4.0)

音で存在を知らせる

兵庫県は、複数人で話しながら入山すること、単独の場合は鈴・ラジオなど音の鳴るものを携帯するよう案内しています。奥多摩VCもラジオ等で存在を知らせる工夫を求めています。

クマ対策の熊鈴(熊鈴の選び方)や出没情報の確認(くまマップ)と道具は重なりますが、目的は「野生動物への予告」だけでなく狩猟者への視認・認識補助でもあります。匂いの強いものはクマ等を引き寄せる場合がある、という注意も兵庫県・西宮市の案内にあります。

道を外れない・猟犬に注意

奥多摩VCは、道のない山林内に深く入ると危険であること、シカやイノシシを追う猟犬などに出くわすこともあると注意しています。登山道・歩道の上を歩くこと自体が、いちばん効くリスク低減です。落ち葉で道形が見えにくい時期は、地図と現在地の確認を一段丁寧に(落ち葉の登山道)。持ち物の点検は持ち物チェックリストも参照してください。

秋の樹林帯を進む木道の登山道
整備された道の上を歩くことが、狩猟活動との不用意な接近を避ける基本です。写真:pakku, Wikimedia Commons(CC BY 3.0)/裾合平の木道

場所の見分け|鳥獣保護区でも「周辺・道外」は別問題

環境省の概要では、鳥獣保護区では狩猟が禁止されるほか、休猟区では一定期間の狩猟が禁止される、と整理されています(狩猟制度の概要)。都道府県の解説では、狩猟が禁止される場所の例として次が挙げられます。

  • 鳥獣保護区・休猟区
  • 公道
  • 自然公園の特別保護地区
  • 社寺境内・墓地
  • (その他、区域が明示された都市公園等や原生自然環境保全地域など)

参考:北海道 野生鳥獣の捕獲について/千葉県 野生鳥獣の捕獲について

登山者向けに重要なのは、「保護区に入れば絶対に安全」ではないという点です。保護区の境界は標柱や地図で示されますが、境界のすぐ外側や、道のない沢・薮では狩猟や有害鳥獣捕獲が行われることがあります。雲取山周辺のように、国立公園内でも登山道から離れた林内でシカ捕獲が告知される例もあります(環境省関東地方環境事務所の告知)。標識を見た安心感だけで道を外さないでください。

東京都内に立つ鳥獣保護区の標柱
鳥獣保護区の標柱は区域の目安になります。境界の外側や道のない場所のリスクは別問題として扱います。写真:nakashi, Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

位置図は都道府県が公開する「鳥獣保護区等位置図」や、自治体の自然環境課ページで確認します。兵庫県の入山者向けページからも位置図への案内があります(兵庫県)。

くくりわな|標識付近に近づかない

くくりわなは地面付近に仕掛けられることがあり、気づかず近づくと危険です。兵庫県・西宮市は、わな設置の標識がある場合は近づかないよう明記しています(兵庫県/西宮市)。

登山者側の行動指針は単純です。

  • 標識・看板を見たらその場に近寄らない
  • 好奇心で仕組みを触らない・写真のためにしゃがみ込まない
  • 道を外してショートカットしない(わなは道沿いの林縁に置かれることもある)

環境省の概要では、わな猟免許で使える猟具にくくりわなが含まれること、イノシシ・ニホンジカ向けのくくりわなには直径や金具などの規制があることが示されています(狩猟制度の概要)。登山者が覚えるべきは規制の細部より、「標識=近づかない」です。

樹林帯の登山道と山小屋方面の景色
道の上を歩き、標識のある斜面や林縁には踏み込まない、がわな対策の基本です。写真:らんで, Wikimedia Commons(CC BY 4.0)

土日祝は狩猟者が増えやすい

兵庫県・西宮市の案内では、土曜・日曜および祝日は狩猟者が大勢入山するため特に注意するよう書かれています。平日と同じコースでも、休日は「目立つ色・音・道を外れない」を一段厳しく運用する、くらいの意識で十分です。人気の縦走や沢遊びで道を外しがちな計画は、シーズン中は控える判断もあり得ます。

凍結やアイスバーンが混ざる時期は、滑り止め装備と合わせてペースが落ちやすいので、日没逆算とセットで休日計画を見直してください(凍結した登山道とスパイク)。

入山前チェックフロー

出発前に、次の順で潰すと漏れが減ります。

服の色・音・土日祝・わな標識・道外に出ない、の五段階チェックフロー図
狩猟シーズンの入山前チェック。服装と音で存在を知らせ、休日は一段厳しく、わな標識と道外を避ける流れです。作成:山日記
  1. 期間:行く都道府県の公式で、当該年の猟期・延長・鳥獣保護区図を確認
  2. 服の色:迷彩・暗い色・白いタオルを避け、赤・オレンジ・蛍光を選ぶ
  3. 音:複数人なら会話、単独なら鈴・ラジオ等
  4. 曜日:土日祝は特に注意(計画の厳格化)
  5. わな:標識付近に近づかない
  6. ルート:道のない山林に深く入らない。保護区でも周辺・道外は別問題

晩秋のほかのリスク(施設 closure・落ち葉・凍結・低体温)と並べて、計画書の「季節特有」欄に一行書いておくと忘れにくいです。

参考リンク

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執筆・確認

山日記編集部

実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。

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