
写真:Andrew Shiva, Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
登山の持ち物チェックリスト【日帰り/テント泊 完全版】初心者向けに必需品を解説
登山の持ち物を日帰り・小屋泊・テント泊に分けて整理したチェックリスト。長野県の登山Safety Bookが「最低限」とする4つの装備、登山計画書、予備バッテリー、携帯トイレ、秋のヘッドライト、火山でのヘルメットなど、公的情報にもとづいて更新しました。
目次
- 登山の持ち物は「最低限」より「不足しない」が大事
- 公的な情報で見る「最低限」の装備
- まず結論:登山の基本装備はこの3層で考える
- 日帰り登山の持ち物チェックリスト
- 必携装備
- あると便利な装備
- 日帰り登山で特に忘れやすいもの
- ヘッドランプ
- 防寒着
- [モバイルバッテリー](/posts/mobile-battery)
- 登山計画書と保険
- 秋に特に気をつけたいこと
- 火山に登るとき
- テント泊登山の持ち物チェックリスト
- テント泊で追加になる主な装備
- テント泊の完全版チェックリスト
- 小屋泊ならテント泊より減らせる
- 季節ごとに追加で考えたい持ち物
- 春・秋
- 夏
- 冬・残雪期
- パッキングのコツ
- 初心者がやりがちな持ち物の失敗
- 水や食料を少なく見積もる
- 着替えを増やしすぎる
- 便利グッズを増やしすぎる
- 迷ったらこの持ち物を最優先
- まとめ
- 関連記事
- 参考リンク
この記事は2026年10月10日時点で、長野県の「登山Safety Book」(令和6年4月)と、長野県の登山計画書の案内をもとに更新しています。旧版にあった「モバイルバッテリーは5,000mAh前後」という数値は、公的な根拠を確認できなかったため削除しました。
登山の持ち物は「最低限」より「不足しない」が大事
登山の持ち物で大切なのは、荷物を極端に減らすことではなく、安全に下山できるだけの装備を持つことです。
特に初心者のうちは、「軽くしたい」気持ちが先に立ちやすいですが、山では天気の急変、行動時間の延長、道迷い、ケガなど、平地とは違うトラブルが起こります。だからこそ、まずは必要なものを揃えて、そのうえで無駄を減らすという順番が大切です。
この記事では、日帰り登山とテント泊登山で必要な持ち物を分けて、実際にチェックリストとして使える形で整理します。
このページのチェックリストはそのままチェックできます。 同じブラウザで再度開いたときも、チェック状態が保存されるようにしています。

公的な情報で見る「最低限」の装備
長野県の「登山Safety Book」(令和6年)は、「万が一のときを考えて」、次の4つを最低限、携行しましょうとしています。
- 携帯電話(万が一のときの通信手段)
- 雨具(防寒着としての役割も)
- ヘッドライト(自分の位置を知らせる役割も)
- 非常食・飲料
同じ冊子は、通報の約8割が携帯電話からで、バッテリー切れでは通報できないため、予備バッテリーを携行するよう呼びかけています。また、令和5年の長野県の山岳遭難302件のうち、「その他」27件には、「装備不足」7件と「技量不足」10件が含まれます。日帰りでも、万が一に備えてビバーク装備などを忘れないよう案内しています。

まず結論:登山の基本装備はこの3層で考える
持ち物は細かく見ると多いですが、考え方としては次の3つに分けると整理しやすいです。
このうち、最初に絶対に抜いてはいけないのは安全のために必要な装備です。
日帰り登山の持ち物チェックリスト
必携装備
- 登山靴またはトレッキングシューズ
- ザック
- レインウェア上下
- 飲み水
- 行動食
- 地図アプリを入れたスマホ(紙の地図・コンパスも)
- モバイルバッテリー
- ヘッドランプ
- 防寒着
- 帽子
- 救急セット
- エマージェンシーシート(ビバーク用)
- 携帯トイレ
- 登山計画書の控え
- 保険証またはそのコピー
- 現金
日帰り登山であっても、レインウェア・ヘッドランプ・防寒着は「使わないかもしれないけれど持っていく装備」です。ここを削ると、トラブル時の余裕が一気になくなります。
あると便利な装備
- トレッキングポール
- サングラス
- 日焼け止め
- 虫よけ
- 熊鈴
- 手袋
- タオル
- ゴミ袋
- ウェットティッシュ
- モバイル決済とは別の小銭
低山の日帰りでも、夏は虫対策、春秋は防寒対策、樹林帯では熊対策など、山域によって必要なものは変わります。
日帰り登山で特に忘れやすいもの
ヘッドランプ
初心者ほど忘れやすいですが、ヘッドランプは日帰りでも必携です。
「明るいうちに帰る予定」でも、渋滞、道迷い、ケガ、想定より遅いペースで下山が夕方になることは普通にあります。スマホのライトは代用にはなりますが、両手が空かず、電池も減るので十分ではありません。
防寒着
山は平地より気温が低く、風があるだけでも体感温度はかなり下がります。春や秋はもちろん、夏でも標高が高い山や早朝出発では寒さを感じます。薄手のフリースやインサレーションを1枚入れておくと安心です。
モバイルバッテリー
今の登山ではスマホは地図・連絡・記録の中心です。長野県は、通報の約8割が携帯電話からで、バッテリー切れでは通報できないとして、予備バッテリーの携行を呼びかけています。容量は、行動時間やスマホの使い方で変わるため、一律の目安は示しません。
登山計画書と保険
長野県では、条例により、指定登山道を通過する際は、登山計画書を長野県知事あてに届け出ることが義務づけられています(一部の里山を除く)。提出は、遭難時の対応が早いオンラインが勧められています。ほかの地域でも、行き先と予定を家族に伝え、計画書を提出しましょう。救助活動には費用がかかる場合があるため、山岳保険への加入も勧められています(長野県)。
秋に特に気をつけたいこと
長野県の資料は、秋は日没が早まり、特に樹林帯では暗くなるのがさらに早いため、日帰りでもヘッドライトやビバーク装備の携行を忘れないよう呼びかけています。昼間は暖かくても、朝晩は氷点下になることもあるとも案内しています。
火山に登るとき
長野県は、火山に登るときは通常の装備に加えて、ヘルメット(噴石や火山灰から頭を守る)、ゴーグル(火山灰が目に入るのを防ぐ)、ライト(噴煙に包まれたとき)が必要としています。出発前に、気象庁の火山登山者向け情報で噴火警戒レベルを確認してください。
テント泊登山の持ち物チェックリスト
テント泊は、日帰り装備に加えて宿泊装備・調理装備・着替えが必要になります。荷物が一気に増えるので、「日帰りの延長」ではなく別物として考えたほうが失敗しにくいです。

テント泊で追加になる主な装備
- テント
- ペグ
- ポール
- グラウンドシート
- シュラフ
- スリーピングマット
- ヘッドランプの予備電池
- 着替え
- 防寒着の追加
- テント場で履くサンダル
- バーナー
- ガス缶
- コッヘル
- ライター
- 食料
- 朝夕用の飲み物
- 浄水器または予備の水
- 歯ブラシなど最低限の衛生用品
テント泊の完全版チェックリスト
行動装備
宿泊装備
- テント
- ペグ
- テントポール
- グラウンドシート
- シュラフ
- マット
- 枕代わりになるスタッフバッグや衣類
調理・食事装備
- バーナー
- 燃料
- コッヘル
- カトラリー
- 食事
- 行動食の予備
- 保温ボトル
衣類
- ベースレイヤーの替え
- 靴下の替え
- 下着の替え
- 防寒着
- テント場用の軽い上着
そのほか
- 保険証
- 現金
- ゴミ袋
- トイレットペーパー
- ウェットティッシュ
- 日焼け止め
- サングラス
小屋泊ならテント泊より減らせる
小屋泊は、テント・マット・シュラフ・調理装備が不要になることが多いため、荷物をかなり減らせます。
ざっくりいうと、
- 日帰り:安全装備を中心に軽くまとめる
- 小屋泊:日帰り装備+着替えや衛生用品
- テント泊:日帰り装備+宿泊装備+食事装備
というイメージです。
初めて宿泊登山に行くなら、いきなりテント泊よりもまずは小屋泊で一度流れを経験するほうが、必要装備の感覚をつかみやすいです。
季節ごとに追加で考えたい持ち物
春・秋
- 薄手フリース
- 防風性のあるシェル
- 手袋
- ネックゲイター
朝晩が冷えやすい時期なので、日中が暖かくても防寒を軽く見ないほうが安心です。
夏
- 多めの水
- 帽子
- 日焼け止め
- 虫よけ
- 汗冷え対策の速乾インナー
夏は暑さ対策が必要ですが、一方で稜線や悪天候では冷えることもあります。暑さ対策と雨風対策を両方持つ意識が大切です。
冬・残雪期
- 厚手の防寒着
- 予備手袋
- ニット帽
- 保温ボトル
- チェーンスパイクまたはアイゼン
- 防寒用の靴下
冬は装備の抜けがそのまま危険につながりやすいので、持ち物チェックをより慎重に行う必要があります。
パッキングのコツ
持ち物を揃えても、入れ方が悪いと歩きにくくなります。基本は次のとおりです。
- 重いものは背中側・中央寄り
- すぐ使うものは上や外ポケット
- レインウェアと防寒着は取り出しやすい位置
- ヘッドランプや救急セットは迷わず出せる場所
特にレインウェアは、ザックの一番下に押し込むより、すぐに取り出せる場所に入れておくほうが実践的です。
初心者がやりがちな持ち物の失敗
水や食料を少なく見積もる
足りなくなると行動に直結するので危険です。水の量は、「体重(kg)×行動時間(h)×5ml」を目安にする解説が多くあります(例:体重60kgで5時間なら約1.5L)。季節やコースに合わせて余裕を持たせましょう。
着替えを増やしすぎる
一方で、着替えを増やしすぎると荷物が重くなります。日帰りなら「行動中に着るもの」と「非常時に羽織るもの」を優先し、下山後の快適さは後回しでも問題ないことが多いです。
便利グッズを増やしすぎる
初心者のうちは、不安から細かい道具を増やしがちです。ただ、まず優先すべきなのは三種の神器・雨風対策・行動食・ライトです。便利さより先に、安全の土台を整えることが大切です。
迷ったらこの持ち物を最優先
全部を完璧に揃えるのが難しい場合でも、次の装備は優先度が高いです。
このあたりが揃っていれば、少なくとも「危険を大きく増やす抜け」は減らしやすくなります。
まとめ
- 日帰りでもレインウェア・ヘッドランプ・防寒着は必携
- テント泊は日帰り装備に加えて宿泊装備と食事装備が必要
- 小屋泊はテント泊より荷物をかなり減らせる
- 季節によって追加装備は変わるが、基本は安全装備を優先
- 持ち物は「最小限」より不足しないことを基準に考える
- 長野県が最低限とするのは、携帯電話・雨具・ヘッドライト・非常食と飲料
登山の持ち物は、慣れるまでは多く感じますが、毎回同じように準備していくとだんだん自分の定番ができてきます。最初はこのチェックリストを土台にして、山域や季節に合わせて少しずつ自分仕様にしていくのがおすすめです。
関連記事
参考リンク
- 長野県「登山Safety Book 令和6年」(山岳遭難発生状況、最低限の携行品、火山の装備、登山計画書)
- 長野県「登山計画書を届出しましょう」
最終更新: 2026年10月12日 23:42
執筆・確認
山日記編集部
実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。
