
写真:Ans, Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)
大菩薩嶺 登山ガイド|日帰りで歩ける稜線と富士山の展望【初心者〜中級者向け】
目次
- はじめに
- 大菩薩嶺の概要
- 大菩薩嶺のコース
- 定番コース:上日川峠から周回(おすすめ)
- 長距離コース:裂石温泉起点
- 石丸峠・小金沢連嶺へのアレンジ
- 各コースの特徴と注意点
- 上日川峠〜福ちゃん荘(約30分)
- 福ちゃん荘〜雷岩(約1時間)
- 雷岩〜大菩薩嶺山頂(約10分)
- 雷岩〜大菩薩峠(介山荘)(約45分)
- 大菩薩峠〜上日川峠(約45分)
- 服装・装備の目安
- 春(5〜6月)
- 夏(7〜9月)
- 秋(10〜11月)
- 持ち物チェックリスト
- アクセス
- 電車・バスで行く場合(おすすめ)
- マイカーで行く場合
- 山小屋・施設
- 唐松荘(上日川峠)
- 福ちゃん荘
- 介山荘(大菩薩峠)
- 注意事項
- 山頂(2,057m)に展望はない
- 稜線の天候変化に注意
- GWと紅葉シーズンの混雑
- 残雪と凍結(春・秋)
- 登山靴は必須
- 初心者・中級者別のおすすめの楽しみ方
- 初心者・登山デビュー近い人
- 中級者・百名山を狙っている人
- まとめ
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はじめに
大菩薩嶺は、山梨県甲州市にある標高2,057mの山で、日本百名山のひとつです。
この山の最大の魅力は、山頂周辺の雷岩〜大菩薩峠にかけての稜線歩きにあります。展望が大きく開けた稜線からは、富士山や南アルプスが見渡せ、標高2,000mを超える山としては入門しやすい部類に入ります。上日川峠(1,590m)という登山口まで車やバスでアクセスできるため、標高差が小さく、日帰りで稜線の景色を楽しみやすいのが特徴です。
初心者・ファミリーから「百名山を少しずつ踏んでいる中級者」まで幅広い層に人気があります。この記事では、大菩薩嶺の定番コースからアクセス・服装・山小屋情報まで、まとめて解説します。
大菩薩嶺の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在 | 山梨県甲州市(旧塩山市・丹波山村境) |
| 標高 | 2,057m(山頂)/雷岩 約2,036m |
| 難易度 | ★★☆☆☆(上日川峠起点の場合) |
| 展望 | ★★★★☆(稜線・雷岩で抜群) |
| 標準コースタイム | 3〜4時間(上日川峠起点の周回) |
| 駐車場 | あり(上日川峠 無料・約100台) |
| トイレ | あり(上日川峠・福ちゃん荘・大菩薩峠の介山荘) |
| 山小屋 | 唐松荘(上日川峠)、福ちゃん荘、介山荘(大菩薩峠) |
- 日本百名山・山梨百名山のひとつ
- 稜線の展望が素晴らしく、富士山・南アルプスを望める
- 山頂(2,057m)は樹林に囲まれて展望なし。展望地は雷岩
- バスシーズン中は甲斐大和駅から上日川峠へ直接バス利用可能
大菩薩嶺のコース
定番コース:上日川峠から周回(おすすめ)
上日川峠 → 福ちゃん荘 → 雷岩 → 大菩薩嶺 → 大菩薩峠(介山荘) → 上日川峠
- 距離:約7km
- 所要時間:3〜4時間(休憩込み)
- 累積標高差:登り約450m
- 向いている人:初めての大菩薩嶺、日帰りで稜線を楽しみたい人
上日川峠(約1,590m)を起点にした周回ルートが最も一般的です。序盤は唐松荘・福ちゃん荘を経由して樹林帯を登り、雷岩に到着すると急に視界が開けて富士山が姿を現します。
山頂(2,057m)は雷岩から10分ほどで到達できますが、樹林に囲まれて展望がないため、多くの登山者は雷岩で休憩と写真を楽しみます。山頂を踏んだ後は稜線を南下し、大菩薩峠(約1,897m)まで稜線歩きを満喫。大菩薩峠にある介山荘で小休止したのち、林道沿いに上日川峠へ下山するのが定番です。
長距離コース:裂石温泉起点
裂石(丹波山村境) → 上日川峠 → 雷岩 → 大菩薩嶺 → 大菩薩峠 → 石丸峠 → 小菅または裂石
- 距離:約12〜15km
- 所要時間:5〜7時間
- 向いている人:バスを使わず麓から歩きたい人、縦走感を楽しみたい人
裂石(塩山方面の林道起点)から歩くと、大菩薩峠の文学的な雰囲気(中里介山の小説『大菩薩峠』の舞台)をより深く感じられます。体力と経験が必要ですが、充実した山行になります。
石丸峠・小金沢連嶺へのアレンジ
大菩薩峠から石丸峠(約1,760m)を経由して小金沢山(2,014m)・牛奥ノ雁ヶ腹摺山方面へ縦走するルートも人気です。こちらは小菅の湯や上野原方面へ抜けるルートで、山梨百名山・秀麗富嶽十二景の峰々をまとめて歩けます。
各コースの特徴と注意点
上日川峠〜福ちゃん荘(約30分)
上日川峠からは車道と林道が交差する箇所を過ぎ、唐松荘の前を通って福ちゃん荘まで緩やかに登ります。樹林帯の静かな歩きで、ウォームアップに適した区間です。福ちゃん荘では休憩・トイレ利用が可能です。
福ちゃん荘〜雷岩(約1時間)
福ちゃん荘からは唐松尾根コースと林道コースに分岐します。唐松尾根コースは樹林帯を直登するやや急なルートで、林道コースは遠回りになりますが傾斜が緩い分歩きやすいです。どちらを選んでも雷岩に出ます。
雷岩に近づくにつれて樹木が低くなり、富士山・南アルプス・八ヶ岳方面の展望が開けてきます。天気の良い日はここで長めの休憩をとる登山者が多いです。
雷岩〜大菩薩嶺山頂(約10分)
稜線を少し北に進むと大菩薩嶺の山頂(2,057m)に到着します。山頂は樹木に囲まれており展望はほぼありません。標識と三角点があるだけのシンプルな山頂ですが、日本百名山の証として多くの人が記念写真を撮ります。
雷岩〜大菩薩峠(介山荘)(約45分)
雷岩から南へ稜線を歩きます。この区間が大菩薩嶺のハイライトです。草原状の稜線が続き、左手に富士山、右手に甲府盆地・奥多摩の山々が広がります。天気が良ければ南アルプスの白峰三山も見えます。
途中の賽の河原(さいのかわら)は石が積まれた広場で、風が通り抜ける独特の雰囲気があります。大菩薩峠の介山荘では飲み物・食事・土産物を販売しており、バッジも入手できます。
大菩薩峠〜上日川峠(約45分)
介山荘から上日川峠へは、林道(石丸峠方面への分岐あり)を下ります。傾斜は緩めで歩きやすく、30〜45分で起点に戻ります。
服装・装備の目安
大菩薩嶺は標高2,057mの山岳地帯です。上日川峠(1,590m)まで車で上がれるため気軽に見えますが、稜線では天候変化が速く、風も強くなります。
春(5〜6月)
- ベースレイヤー:速乾素材の長袖
- ミドル:フリースまたは薄手の保温着
- アウター:レインウェア(必携)
- ボトムス:トレッキングパンツ
- 靴:軽登山靴(スニーカーは滑りやすく注意)
- 手袋・帽子:必要に応じて
残雪がある場合(例年5月連休前後まで稜線の一部)はチェーンスパイクがあると安心です。朝晩は0℃近くになることもあります。
夏(7〜9月)
- 日差しが強く、稜線では紫外線対策が特に重要
- 半袖+長袖シャツの重ね着が基本
- 午後は雷雨に注意。早出・早着が基本
秋(10〜11月)
- 紅葉シーズン。特に10月中旬〜下旬が見頃
- 防寒着は多めに。稜線は10℃以下になることも
- 朝は霜が降りることもあり、防寒は冬寄りの準備を
持ち物チェックリスト
- 登山靴(軽登山靴以上推奨)
- レインウェア(必携)
- 飲料水(500ml〜1L程度。山小屋でも購入可)
- 行動食・昼食(稜線で景色を楽しみながら食べられる)
- 防寒着(フリース・ダウン)
- 帽子・手袋(気温次第)
- 地図アプリ(ヤマレコ・ヤマップなど)
- モバイルバッテリー
- 救急キット
- チェーンスパイク(春の残雪期)
アクセス
電車・バスで行く場合(おすすめ)
JR中央本線甲斐大和駅から、栄和交通の路線バスが上日川峠まで運行しています。
- 乗車時間:約40分
- 片道運賃:約1,000円前後(年度・期間で変動)
- 運行期間:例年4月下旬〜11月下旬(ゴールデンウィーク・紅葉シーズンは増便あり)
バスの本数・時刻は毎年変わるため、栄和交通公式サイトまたは甲州市観光協会で最新情報を確認してください。GWや紅葉シーズンは臨時便が出ることも多いです。
塩山駅方面(中央本線の一部特急停車駅)から上日川峠へのバスも一部期間に運行されます。
マイカーで行く場合
- 上日川峠の無料駐車場(約100台)が利用できます
- GWと10月の紅葉シーズンは早朝から混雑・満車になる場合があります
- 満車時は下の裂石・大菩薩の湯周辺の駐車場に停めて歩くことになります
山小屋・施設
唐松荘(上日川峠)
- 登山口の起点にある山小屋
- 宿泊・食事・売店あり
- 水・トイレ利用可
福ちゃん荘
- 上日川峠から歩いて約30分
- 食事・飲み物・売店あり
- トイレあり(登山道上では貴重)
- 唐松尾根と林道コースの分岐点の近く
介山荘(大菩薩峠)
- 大菩薩峠(1,897m)に位置する歴史ある山小屋
- 中里介山の小説『大菩薩峠』ゆかりの場所
- 食事・飲み物・売店・バッジ販売あり
- 宿泊も可能
いずれの山小屋も営業期間・時間は年によって異なるため、事前に各山小屋に確認するのがおすすめです。
注意事項
山頂(2,057m)に展望はない
大菩薩嶺の山頂は樹林帯の中にあり、展望がほぼありません。「山頂からの富士山」を期待して来ると拍子抜けすることがあります。稜線の展望地は雷岩です。混同しないよう事前に把握しておきましょう。
稜線の天候変化に注意
稜線に出ると風が一気に強くなることがあります。特に午後は雷雨が発生しやすく、山頂付近での滞在は長くなりすぎないように計画しましょう。早出・早着を基本に、悪天候の場合は無理に稜線に出ない判断も大切です。
GWと紅葉シーズンの混雑
ゴールデンウィーク(特に5月3〜5日)と10月の紅葉シーズンは、上日川峠の駐車場が満車になるほど混雑します。早朝(7時前後)に登山口に着く計画で動くと、快適に歩けます。バスを使う場合も、始発便に乗るよう心がけると混雑を避けやすいです。
残雪と凍結(春・秋)
5月の連休前後まで、雷岩周辺の稜線に残雪が残ることがあります。凍結している場合はアイゼンまたはチェーンスパイクが必要です。秋は10月末以降に霜や凍結が始まることがあります。
登山靴は必須
上日川峠から歩き始めると樹林帯の根っこの多い道や岩混じりの稜線が続きます。スニーカーで歩けないわけではありませんが、ソールの薄い靴や防水性のない靴では快適に歩きにくい場面もあります。軽登山靴以上を推奨します。
初心者・中級者別のおすすめの楽しみ方
初心者・登山デビュー近い人
- 上日川峠起点の周回コース(3〜4時間)がおすすめ
- 天気が良い日を選び、午前中に稜線に到達する時間設定で
- 途中の山小屋(福ちゃん荘・介山荘)を休憩ポイントに
中級者・百名山を狙っている人
- 大菩薩嶺を踏破しつつ、石丸峠から小金沢山(秀麗富嶽十二景第二景)へ縦走する計画も面白い
- 甲斐大和駅から裂石を経由した麓起点の山行も達成感が高い
- 同日に塩山方面(甲州市の温泉「大菩薩の湯」)を組み合わせると充実した一日に
まとめ
- 標高2,057m・日本百名山のひとつ
- 上日川峠(1,590m)を起点に、日帰りで3〜5時間で歩ける
- ハイライトは雷岩〜大菩薩峠の稜線歩き(富士山・南アルプスの展望)
- 山頂は樹林帯で展望なし。展望は雷岩で楽しむ
- GW・紅葉シーズンは混雑するため早出が基本
- バスは甲斐大和駅から上日川峠まで運行(例年4月下旬〜11月下旬)
- 服装は標高2,000m相応の準備を。レインウェアは必携
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