
写真:Chad Madden, Unsplash(CC0)
登山初心者が最初に買うべき装備【優先順位つき完全ガイド】
目次
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登山を始めようと思ったとき、多くの人がこう感じます。
「何から買えばいいかわからない」
登山用品店に行くと装備の種類は膨大で、ネットで調べると情報が多すぎる。ついつい「全部一気に揃えなきゃ」と思ってしまいがちです。
でも実際は、登山に必要な装備には優先順位があります。最初から完璧に揃える必要はなく、「まず絶対に必要なもの」から順番に揃えていけば十分です。
この記事では、登山初心者が最初に揃えるべき装備を3段階の優先順位に分けて、選ぶポイントと予算の目安とともに解説します。
全体像:3段階で揃える
| 段階 | タイミング | 合計目安 |
|---|---|---|
| STEP 1 今すぐ必要 | 最初の登山前に必ず | 約4〜8万円 |
| STEP 2 次に揃える | 2〜3回目までに | 約1〜3万円 |
| STEP 3 後回しOK | 慣れてから徐々に | 約1〜5万円 |
まずSTEP 1だけで、多くの低山日帰り登山は安全に楽しめます。
STEP 1:今すぐ必要な3点(三種の神器)
登山の「三種の神器」と呼ばれる、最初に絶対に揃えるべき3点です。この3点だけは代用が利かず、安全に直結します。
① 登山靴
予算目安:1.5〜2.5万円
登山でスニーカーを使うと、岩場で滑る・下りで爪先が痛くなる・ぬかるみで靴の中が濡れる、といったトラブルが起きやすくなります。登山靴のグリップ力・防水性・足首サポートはそれを防ぐための機能です。
選び方のポイント
- 初心者にはミドルカットが最もバランスが良い
- 防水透湿素材(Gore-Texなど)入りを選ぶ
- 必ず試着してから購入する(ネット購入は試着後に)
- つま先に0.5〜1cm程度の余裕があるサイズを選ぶ
📖 詳しくは:登山靴の選び方完全ガイド
② ザック(バックパック)
予算目安:1.2〜2.5万円
日帰り登山であれば、容量は20〜30Lが基準です。登山専用ザックはヒップベルトが重さを腰で受け止める設計になっており、同じ荷物でも普通のリュックとは疲れ方が全然違います。
選び方のポイント
- 日帰りなら20〜30L
- ヒップベルトがしっかりしているものを選ぶ
- 背面長に合ったサイズを選ぶ(店員に相談する)
- 試着時は荷物を入れた状態で確認
📖 詳しくは:登山ザックの選び方完全ガイド
③ レインウェア(上下セパレート)
予算目安:1.5〜3.5万円
山の天気は急変します。「晴れ予報だったのに突然の雨」は珍しくありません。レインウェアは雨具というより、濡れと風による低体温症を防ぐ安全装備です。
選び方のポイント
- 上下セパレートタイプを必ず選ぶ(ポンチョ・合羽は不可)
- 防水透湿素材(Gore-TexまたはメーカーのオリジナムBR素材)を選ぶ
- 最初はGore-Texでなくても、各社のオリジナル防水透湿素材で十分
- ザックの中に常に入れておく使い方が基本
📖 詳しくは:登山レインウェアの選び方完全ガイド
STEP 1 の予算まとめ
| アイテム | 最低ライン | おすすめゾーン |
|---|---|---|
| 登山靴 | 8,000〜15,000円 | 15,000〜25,000円 |
| ザック | 5,000〜12,000円 | 12,000〜25,000円 |
| レインウェア(上下) | 8,000〜15,000円 | 15,000〜35,000円 |
| 合計 | 約2〜4万円 | 約4〜8万円 |
📖 3点の詳しい解説は:登山の三種の神器とは?
STEP 2:次に揃える3点
三種の神器の次に優先度が高い3点です。低山ハイキングなら最初から持っておくと安心です。
④ ヘッドランプ
予算目安:2,000〜5,000円
「日帰りだからいらない」と思いがちですが、コースタイムの読み違いや天候悪化で予定より遅く下山するケースは珍しくありません。暗くなってから懐中電灯なしで山道を歩くのは非常に危険です。
- 両手が使えるヘッドランプを選ぶ(スマホのライトは代用不可)
- 明るさは200ルーメン以上あれば日帰りには十分
- 単三電池タイプは予備電池も一緒に携帯する
- USBタイプは残量確認と事前充電を忘れずに
おすすめブランド:ブラックダイヤモンド、ペツル、LEDランタ(3,000円前後から信頼できるモデルあり)
⑤ 速乾性インナー(ベースレイヤー)
予算目安:3,000〜8,000円
登山では大量の汗をかきます。コットンのTシャツは汗を吸っても乾かず、ずっと濡れた状態が続いて体が冷えます(汗冷え)。特に休憩中や稜線での風が当たる場面で危険です。
- 化繊(ポリエステル)またはメリノウール素材を選ぶ
- ヒートテックは登山には不向き(汗が乾かず逆効果になりやすい)
- 夏山は化繊の薄手、春秋はメリノウールが快適
📖 詳しくは:登山用速乾性インナーの選び方
⑥ 行動食・水筒(ソフトフラスク or ボトル)
予算目安:1,000〜3,000円
装備ではありませんが、食事・水分の準備は安全に直結します。
- 水はコースタイム2時間ごとに500ml目安で多めに持つ
- ソフトフラスクは軽くてかさばらずにザックに収まる
- 行動食はすぐに食べられるエネルギーゼリー・ナッツ・チョコなど
📖 シャリバテ(エネルギー切れ)の対策は:シャリバテとは?
STEP 3:後回しにしていい装備
最初から全部揃えなくてもOKです。登山に慣れてきてから、自分に合ったものを選ぶほうが失敗が少ないです。
トレッキングポール(ストック)
予算目安:5,000〜25,000円
長い下り坂での膝への負担を減らします。最初のうちはなくても登れる山がほとんどですが、登山回数が増えてきたら検討しましょう。
- カーボン素材は軽いが折れやすく高価。最初はアルミで十分
- 折りたたみ式よりスライド伸縮式のほうが調整しやすい
- 2本セットが基本
📖 詳しくは:トレッキングポールの選び方
グローブ・サングラス・帽子
予算目安:各1,000〜5,000円
- グローブ:岩場での手の保護と保温。薄手のフィンガーレスで十分
- サングラス:稜線や残雪期の紫外線対策。普通のサングラスでも代用可
- 帽子:日差しと急な雨に対応。ツバ付きキャップやハットが便利
山専用タイツ・ゲイター
予算目安:3,000〜10,000円
- コンプレッションタイツは疲労軽減に効果的。慣れてきたら試す
- **ゲイター(スパッツ)**は泥・雪が靴の中に入るのを防ぐ。低山日帰りは後回しでOK
最初に買ってはいけないもの
「とりあえず安いもので揃えようとしたら失敗した」パターンを紹介します。
| NG行動 | 理由 |
|---|---|
| 登山靴だけ安物を選ぶ | 足が痛くなる・滑る・防水が効かない。後悔する最筆頭 |
| ポンチョ・合羽で代用する | 強風雨で使い物にならない。動きにくく安全性も低い |
| 500mLのペットボトル1本だけ | 水分不足は行動能力を著しく低下させる |
| スマホのカメラライトで代用 | バッテリー切れ・落とす・両手が使えない |
| コットンシャツで登山 | 汗冷えで体力が奪われる |
どこで買うのがいい?
登山専門店(強くおすすめ)
石井スポーツ・好日山荘・モンベルショップなど。登山靴とザックは必ず試着が必要なため、スタッフに相談しながら選べる専門店が最適です。
スポーツ量販店
アルペン・ヴィクトリアなど。専門店よりコスパよく揃えられるが、スタッフの専門知識にはばらつきがある。
ネット購入
- 登山靴・ザックは必ず試着してからサイズを確認した上で購入する
- レインウェア・ヘッドランプ・インナーはネット購入でも問題が出にくい
⚠️ ワークマンでも代用できるアイテムはありますが、特に登山靴は専用品を選んでください。詳しくは:ワークマンで登山装備は揃う?
まとめ:買う順番のロードマップ
【最初の登山前】
✅ 登山靴(ミドルカット・防水)
✅ ザック(20〜30L)
✅ レインウェア(上下セパレート)
✅ ヘッドランプ
✅ 速乾性インナー
✅ 水筒・行動食
【2〜5回登山したら】
🔲 トレッキングポール
🔲 グローブ
🔲 帽子・サングラス
【本格的に続けるなら】
🔲 コンプレッションタイツ
🔲 ゲイター
🔲 山岳保険
最初の投資は5〜8万円が現実的な目安です。「登山を続けるかわからない」という場合でも、登山靴だけはケチらないことを強くおすすめします。靴だけは安全に直結し、かつ足に合わないものを選ぶと楽しさが半減します。
まずは三種の神器を揃えて、近くの低山から始めてみてください。
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