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雲取山登山ガイド|東京都最高峰への日帰り挑戦・鴨沢コースと三峯コースを徹底解説

写真:Guilhem Vellut, Wikimedia CommonsCC BY 2.0

·雲取山 (2,017m)·東京都・埼玉県・山梨県·難易度: 中級·約8〜10時間(鴨沢往復)

雲取山登山ガイド|東京都最高峰への日帰り挑戦・鴨沢コースと三峯コースを徹底解説

目次

  1. はじめに
  2. 雲取山の基本情報
  3. 雲取山が人気な理由
  4. コース紹介
  5. コース1|鴨沢コース(最もポピュラーな定番ルート)
  6. コース2|三峯神社コース
  7. 七ッ石山巻き道の選択について
  8. アクセス
  9. 電車・バスでのアクセス(鴨沢コース)
  10. 車でのアクセス(鴨沢コース)
  11. 三峯神社コースのアクセス
  12. 日帰りの現実的な計画
  13. おすすめシーズン
  14. 注意点
  15. 長丁場の体力管理
  16. 水場が少ない
  17. 最終バスの時刻管理
  18. 週末の混雑
  19. 熊の生息域
  20. 天候の急変(夏季)
  21. 服装・装備のポイント
  22. 持ち物チェック
  23. 残雪期・冬季の追加装備
  24. 山小屋・施設情報
  25. 下山後の温泉
  26. よくある質問
  27. Q. 日帰りできますか?
  28. Q. 登山初心者でも登れますか?
  29. Q. 子どもと一緒に行けますか?
  30. Q. 七ッ石山は必ず登る必要がありますか?
  31. Q. 鴨沢コースと三峯コース、どちらがおすすめですか?
  32. まとめ
  33. 関連記事

はじめに

雲取山は、東京都・埼玉県・山梨県の三都県の境に位置する標高2,017mの山で、東京都の最高峰です。日本百名山のひとつであり、「東京の最高点に立つ」という特別な達成感を味わえる山として、関東の登山者から高い人気を誇ります。

奥多摩の深い森を抜け、ブナ坂から続く開放的な尾根歩きの末にたどり着く山頂からは、富士山・南アルプス・奥秩父の山並みが一望できます。豊かな自然林と変化に富んだルートは、歩き応えを求める登山者にとって最高の舞台です。

この記事では、最もポピュラーな鴨沢コースを中心に、コースタイム・アクセス・日帰りの可否・必要な装備・注意点をまとめました。

雲取山の基本情報

項目 内容
標高 2,017m(東京都最高峰)
所在地 東京都西多摩郡奥多摩町・埼玉県秩父市・山梨県丹波山村
山域 奥多摩・奥秩父
カテゴリ 日本百名山
難易度目安 中級(距離が長い・体力重視)
コースタイム 鴨沢往復:約8〜10時間 / 三峯往復:約9〜11時間
主な登山口 鴨沢(東京都奥多摩町)、三峯神社(埼玉県秩父市)
駐車場 小袖乗越駐車場(無料・約20台)、三峯神社第3駐車場(有料)

雲取山が人気な理由

  • 都内最高峰という唯一無二のステータス(「東京の頂上に立った」達成感)
  • 奥多摩の豊かなブナ・ミズナラ林を歩く自然豊かなコース
  • ブナ坂から山頂へ続く開放的な尾根歩きが気持ちよい
  • 山頂からの富士山・南アルプス・奥秩父連峰の大パノラマ
  • 関東から日帰り可能な百名山として挑戦しやすい(ただし健脚向け)
  • 年間を通じて登山者が多く、整備されたルート

注意点:「東京の山」というイメージから軽く見られがちですが、鴨沢コースは往復約20km・累積標高差約1,300mの本格的な長丁場です。日帰りには早朝出発と十分な体力・装備が必須です。

コース紹介

コース1|鴨沢コース(最もポピュラーな定番ルート)

鴨沢バス停を起点とする最も利用者の多い定番コースです。整備された登山道が続き、ルートが明瞭で道迷いのリスクが低い、初めての雲取山に最適なルートです。

ルート概要

鴨沢バス停(約740m)→ 小袖乗越登山口(約1,050m)→ 堂所(約1,470m)→ 七ッ石小屋(約1,720m)→ 七ッ石山(1,757m)→ ブナ坂(約1,780m)→ 奥多摩小屋跡(約1,870m)→ 小雲取山(約1,937m)→ 雲取山(2,017m)→ 往路下山

ポイント 標高 前ポイントからのCT(登り)
鴨沢バス停 約740m
小袖乗越登山口 約1,050m 約25分(林道歩き)
堂所 約1,470m 約1時間40分
七ッ石小屋(水場あり) 約1,720m 約1時間
七ッ石山 1,757m 約20分
ブナ坂(七ッ石山巻き道合流) 約1,780m 約10分
奥多摩小屋跡 約1,870m 約30分
小雲取山 約1,937m 約25分
雲取山(山頂・避難小屋) 2,017m 約20分
  • 登り合計:約4時間30分〜5時間30分
  • 下り合計:約3時間30分〜4時間
  • トータル(休憩込み):8〜10時間
  • 歩行距離:約20km(往復)
  • 累積標高差:約1,300m

コースのポイント

鴨沢バス停から小袖乗越までは舗装林道を約1km歩きます。ここが実質の登山口で、ここからなだらかな樹林帯の登りが始まります。

堂所まではひたすら樹林帯の登りが続きます。急坂はないものの長く続く登りで体力を消耗しやすいため、ペース配分を意識して歩きましょう。

七ッ石小屋は唯一の水場(有料・1L100円)です。水場はここしかないため、下山時の飲料水も計算に入れて持参量を決めてください。

七ッ石山(1,757m)に登るか、巻き道でブナ坂へ向かうかは好みで選べます。七ッ石山に登れば雲取山を正面に望む絶景が得られます(所要+約20〜30分)。

ブナ坂から先は一転して開放的な尾根歩きになります。左右に視界が開け、奥多摩の山並みと空が広がる気持ちのいい区間です。この稜線歩きが雲取山コース最大の魅力といえます。

奥多摩小屋跡(かつての小屋跡)を過ぎると傾斜が強まり、小雲取山の手前が最後の急登です。山頂直下に雲取山避難小屋があり、山頂は広い草原状の台地です。


コース2|三峯神社コース

埼玉県秩父市の三峯神社を起点とする、もうひとつの主要ルートです。鴨沢コースより標高が高い地点(約1,100m)から始まるため累積標高差は少ないですが、アップダウンが多い尾根道で体力の消耗が大きいのが特徴です。

ルート概要

三峯神社(約1,100m)→ 霧藻ヶ峰(1,523m)→ お清平(1,450m)→ 前白岩山(1,776m)→ 白岩山(1,921m)→ 大ダワ(1,860m)→ 芋ノ木ドッケ(1,946m)→ 雲取山(2,017m)→ 往路下山

区間 CT目安(登り)
三峯神社 → 霧藻ヶ峰 約1時間10分
霧藻ヶ峰 → 白岩山 約1時間30分
白岩山 → 大ダワ 約30分
大ダワ → 雲取山 約1時間20分
  • 登り合計:約4時間30分〜5時間
  • 下り合計:約3時間30分〜4時間
  • トータル(休憩込み):9〜11時間
  • 歩行距離:約22km(往復)
  • 累積標高差:約1,200m(アップダウンが多いため体力消耗は大きい)

コースのポイント

三峯神社は山深い場所にある神秘的な神社で、境内の見学も魅力のひとつです。登山口の雰囲気が独特で、鴨沢コースとは全く異なる山の奥深さを感じるルートです。

霧藻ヶ峰からお清平への下り(約70m)や、芋ノ木ドッケ手前のアップダウンなど、稜線上の細かいアップダウンが積み重なって疲労感が増します。体力に余裕がある上級者向きのルートです。

三峯神社発のバスは本数が少ないため、車でのアクセスが現実的です。


七ッ石山巻き道の選択について

日帰り時間短縮を優先する場合は、七ッ石山山頂はパスして巻き道でブナ坂へ直行するのが一般的です。七ッ石山往復は余計に30〜40分かかりますが、雲取山への稜線が正面に広がる眺望は一見の価値があります。

体力・時間に余裕があれば七ッ石山往復をおすすめします。

アクセス

電車・バスでのアクセス(鴨沢コース)

出発地 ルート 所要時間目安
新宿駅 JR中央線→青梅線→奥多摩駅→西東京バス 約2時間30分〜3時間
立川駅 JR青梅線→奥多摩駅→西東京バス 約2時間〜2時間30分
青梅駅 JR青梅線→奥多摩駅→西東京バス 約1時間30分〜2時間
  • 奥多摩駅 → 鴨沢バス停:西東京バス(留浦・丹波山村行き)約35分・440円(2026年現在)
  • 始発バス:登山シーズン(5〜11月)の週末・祝日は5時台・6時台の早朝バスあり(要事前確認)
  • 日帰り必須条件:奥多摩駅を6時台のバスで出発するのが最低ライン。7時以降は山頂到達・下山が日没ギリギリになる

バス時刻は事前にしっかり確認してください。 特に最終バスの時刻は下山時刻の逆算に使います。

車でのアクセス(鴨沢コース)

出発IC ルート 所要時間目安
圏央道「青梅IC」 国道411号(青梅街道)→ 奥多摩経由 約55分
中央道「上野原IC」 国道20号→県道33号→国道411号 約1時間10分
  • 駐車場:小袖乗越駐車場(無料・約20台)
  • 小袖乗越には鴨沢バス停より約1km林道を上がった場所に駐車場あり
  • 週末・祝日は早朝5〜6時で満車になるケースが多い。6時前に到着推奨
  • 満車の場合は鴨沢バス停付近の路肩スペースに駐車(マナーを守って)

三峯神社コースのアクセス

  • 西武秩父線「西武秩父駅」から西武観光バスで「三峯神社」へ(約1時間20分)
  • 車:関越道「花園IC」→国道140号(秩父往還)→三峯神社 約1時間30分
  • 三峯神社の駐車場は有料(700円/日)

日帰りの現実的な計画

雲取山の日帰りは健脚者向けです。以下のタイムラインを参考にしてください。

時刻 行動
5:30〜6:00 奥多摩駅発の始発バスに乗車
6:20〜6:40 鴨沢バス停着・出発
11:00〜12:00 雲取山山頂(休憩・昼食)
12:00〜12:30 下山開始
15:30〜16:30 鴨沢バス停帰着
16:00〜17:00 最終バスで奥多摩駅へ

最終バスの時刻を必ず確認してください。 シーズンによって時刻が異なります。乗り遅れると奥多摩駅まで徒歩(約3時間)になります。


日帰りが不安な方へ:七ッ石小屋(素泊まり・要予約)または雲取山荘(素泊まり・食事あり・要予約)に一泊するプランが安心です。1泊2日なら時間に余裕を持って楽しめます。

おすすめシーズン

シーズン 状況
5月〜6月(初夏) 新緑が美しく、気温も快適。残雪はほぼなし。最もおすすめ
9月〜10月(秋) 紅葉(10月中旬〜下旬)が見事。涼しく歩きやすい。週末は混雑
7月〜8月(夏) 緑が深く涼しい。平地の猛暑から逃れられる。午後の雷雨に注意
3月〜4月(春) 凍結・残雪が残る。軽アイゼン必要なケースあり。経験者向け
11月〜2月(冬) 雪山装備(アイゼン・ピッケル)が必要。上級者のみ

秋の紅葉(10月中旬〜下旬)は特に美しく、七ッ石山〜ブナ坂間のブナ林が黄金色に染まります。 ただし週末は登山口の駐車場が早朝から満車になるため、前日入りか平日の登山が理想です。

注意点

長丁場の体力管理

鴨沢コースは往復約20km・8〜10時間の長丁場です。特に問題になりやすいのは下山時の疲労です。

  • 登りで体力を使いすぎると下山時に足が動かなくなる
  • 登りのペースは「会話できる速さ」を維持する
  • 七ッ石小屋(往路の半分弱)で必ず休憩・補給を取る
  • ストックは下山時の膝保護に役立つ

水場が少ない

七ッ石小屋の水場(有料・1L100円)を過ぎると山頂まで水補給ができません。

  • 出発前に飲料水を1.5〜2L用意する
  • 七ッ石小屋で水を補充するかどうか事前に計画しておく
  • 夏季(7〜8月)は汗の量が多いため2L以上を推奨

最終バスの時刻管理

電車・バスで来た場合、鴨沢発の最終バスを逃すと奥多摩駅まで徒歩3時間になります。山頂からの下山開始時刻は最終バスの時刻から逆算して決めてください。

  • 山頂から鴨沢バス停まで約3時間30分〜4時間
  • 最終バスの2時間前には下山開始しているのが理想
  • 時間が押してきたら七ッ石山山頂はパスして巻き道を使う

週末の混雑

雲取山は関東で最も人気のある百名山のひとつで、GW・紅葉シーズンの週末は登山道が渋滞することがあります。特に七ッ石小屋〜ブナ坂間は登山者が多く、岩場や狭い道でのすれ違いに時間がかかります。

熊の生息域

奥多摩はツキノワグマの生息域です。特に早朝・夕方の薄暗い時間帯は熊鈴を鳴らして行動してください。

天候の急変(夏季)

夏(7〜8月)は午後から積乱雲が発生しやすく、雷雨になることがあります。山頂出発を12時前に設定し、稜線上の雷に備えてください。

服装・装備のポイント

長丁場・高低差の大きい山のため、装備はしっかり揃えてください。

持ち物チェック

  • 登山靴(ハイカット推奨。長距離で足首保護が重要)
  • レインウェア上下(必携。奥多摩は急な雨が多い)
  • ストック(下山時の膝保護・疲労軽減に効果的)
  • ザック(25〜30L)
  • 飲料水(1.5〜2L以上)
  • 行動食・昼食(十分な量を用意する)
  • 防寒着(フリースやソフトシェル。山頂は涼しい)
  • ヘッドランプ(下山が夕方以降になる場合に必須)
  • 地図アプリ(YAMAP / ヤマレコ、オフライン地図を必ずダウンロード)
  • モバイルバッテリー
  • 熊鈴

残雪期・冬季の追加装備

  • 軽アイゼン(6本爪以上)または チェーンスパイク(3月〜4月、11月〜12月)
  • アイゼン・ピッケル(1月〜3月は雪山装備が必須)

山小屋・施設情報

施設 場所 内容
七ッ石小屋 標高約1,720m 宿泊可(素泊まり・要予約)。水場あり(有料・1L100円)。トイレあり
雲取山荘 標高約1,830m(山頂直下南面) 宿泊可(素泊まり・食事あり・要予約)。トイレあり
雲取山避難小屋 山頂直下(2,010m付近) 緊急避難のみ(宿泊・食事提供なし)。トイレあり

下山後の温泉

  • もえぎの湯(奥多摩駅から徒歩約10分):820円。多摩川沿いの日帰り入浴施設。週末は混雑するため早めの入浴を
  • 数馬の湯(奥多摩町・数馬地区):890円。露天風呂あり

よくある質問

Q. 日帰りできますか?

A. 健脚者なら可能ですが、奥多摩駅を6時台のバスで出発することが最低条件です。

往復20km・約10時間は体力・時間ともにギリギリの山です。普段から10km以上のトレッキングを楽しんでいる方、または高尾山御岳山・三頭山などで経験を積んだ方が対象です。「なんとなく行ける気がする」くらいの体力では、下山途中で力が尽きる可能性があります。

Q. 登山初心者でも登れますか?

A. 単独の初心者には推奨しません。経験を積んでから挑戦してください。

距離・時間ともに関東の日帰り登山の中でトップクラスの負荷です。まず三頭山・大岳山・棒ノ嶺など奥多摩の山で経験を積んでからの挑戦をおすすめします。

Q. 子どもと一緒に行けますか?

A. 小学校高学年以上・登山経験のある子どもなら可能です。ただし日帰りは困難で、1泊2日推奨です。

往復20kmは大人でもきつい距離です。子どもと一緒の場合は七ッ石小屋か雲取山荘に泊まる1泊2日プランが現実的です。

Q. 七ッ石山は必ず登る必要がありますか?

A. 任意です。時間・体力に余裕があれば登ることをおすすめします。

七ッ石山(1,757m)は巻き道でスキップできます。山頂からは雲取山の全景が見渡せ、写真スポットとして人気があります。余裕があれば往復20〜30分を投資する価値はあります。

Q. 鴨沢コースと三峯コース、どちらがおすすめですか?

A. 初めての雲取山なら鴨沢コースがおすすめです。

鴨沢コースは電車+バスでアクセスしやすく、登山道も整備されています。三峯コースは車でのアクセスが現実的で、アップダウンが多く体力的にきついため、経験者向きです。

まとめ

  • 雲取山は東京都最高峰・日本百名山。鴨沢コース往復20km・8〜10時間の本格的な中級コース
  • 日帰りには奥多摩駅を6時台出発が最低条件。最終バスを逆算して計画を立てる
  • 七ッ石小屋が唯一の水場(有料)。それ以降は水補給なし。1.5〜2L以上を持参
  • ブナ坂から山頂への開放的な尾根歩きが最大の魅力。七ッ石山から望む雲取山の景色も圧巻
  • 初心者には難しい山。三頭山・大岳山などで経験を積んでから挑戦を
  • おすすめは初夏(5〜6月の新緑)秋(10月の紅葉)。秋は週末を避けて平日に

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