金峰山
金峰山登山ガイド|五丈岩と奥秩父の大展望・関東から日帰りで歩く百名山
北杜市・川上村
金峰山登山ガイド|五丈岩と奥秩父の大展望・関東から日帰りで歩く百名山
目次
- はじめに
- 金峰山の基本情報
- 金峰山が人気な理由
- 金峰山でまず知っておきたいこと
- 登山シーズンは6月〜10月が基本
- 大弛峠へのマイカー規制に注意
- 五丈岩はクライミング装備なしには登れない
- 午後の雷雨に注意
- まずはこれがおすすめ|金峰山モデルコース2選
- 1. 瑞牆山荘コース(定番・日帰りの王道)
- 2. 大弛峠コース(最短・累積標高差が最も少ない)
- 見どころ
- 五丈岩
- 山頂からの360度大展望
- 砂払ノ頭の稜線
- 富士見平小屋と周辺の展望
- 奥秩父の苔と樹林帯
- 服装
- 持ち物チェックリスト
- アクセス
- 公共交通の場合(瑞牆山荘コース)
- 車の場合(瑞牆山荘コース)
- 車の場合(大弛峠コース)
- トイレ
- 混雑しやすい時期と対策
- 初心者が気をつけたいポイント
- 瑞牆山荘コースは累積標高差が大きい
- 五丈岩に無理に登らない
- 大弛峠コースは高所発症に注意
- 下山後の体力を残しておく
- 天候が悪い日は稜線に出ない
- 金峰山はどんな人に向いている?
- まとめ
- 参考リンク
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はじめに
金峰山(きんぷさん)は、山梨県と長野県の県境にそびえる標高2,599mの山で、奥秩父山塊の盟主とも呼ばれる存在です。日本百名山のひとつとして全国から登山者が訪れ、山頂付近に屹立する巨岩・五丈岩(ごじょういわ)のシルエットは、奥秩父を象徴する景観として広く知られています。
山頂からは富士山・八ヶ岳・南アルプス・北アルプスを一望できる360度の大パノラマが広がります。また、奥秩父の稜線を伝って隣の瑞牆山(みずがき山)まで縦走するルートも人気です。
関東からのアクセスは、瑞牆山荘を起点とするコースが定番です。中央本線の韮崎駅・清里駅からシャトルバスが運行する季節は、マイカーなしでも日帰りで山頂に立てます。山梨市・甲府方面からマイカーで大弛峠(おおだるみとうげ)を目指せば、最短4〜5時間で往復できるルートもあります。
この記事では、おすすめコース・五丈岩の見どころ・アクセス・服装・注意点を、関東から日帰りで計画する人向けに整理します。
金峰山の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 標高 | 2,599m |
| 所在地 | 山梨県北杜市・長野県南佐久郡川上村 |
| 山域 | 奥秩父山塊 |
| カテゴリ | 日本百名山、山梨百名山 |
| 難易度目安 | 中級(瑞牆山荘コース)/初中級(大弛峠コース) |
| コースタイム | 瑞牆山荘から往復:約7〜8時間 / 大弛峠から往復:約4〜5時間 |
| 最寄り登山口 | 瑞牆山荘(山梨県)/ 大弛峠(山梨・長野県境) |
| アクセス(公共交通) | 韮崎駅・清里駅からシャトルバス(季節限定) |
| トイレ | 瑞牆山荘・富士見平小屋・大弛峠 |
| 山小屋 | 富士見平小屋(瑞牆山荘コース途中)/ 金峰山小屋(山頂直下)/ 大弛小屋(大弛峠) |
金峰山が人気な理由
- 奥秩父のシンボル・五丈岩が山頂に立つ圧巻の景観
- 山頂から富士山・八ヶ岳・南北アルプスを一望できる大展望
- 日本百名山のひとつ
- 瑞牆山との縦走や大弛峠コースなど、ルートの選択肢が豊富
- 富士見平小屋・金峰山小屋の宿泊を組み合わせた計画も立てやすい
- 秋の紅葉(10月上〜中旬)と残雪期(5月下旬)の景色が特に美しい
金峰山でまず知っておきたいこと
登山シーズンは6月〜10月が基本
金峰山は標高が高く、例年6月〜10月が一般的な登山シーズンです。5月下旬〜6月上旬は残雪が残ることが多く、チェーンスパイクが必要な場合があります。11月以降は本格的な積雪期に入り、冬山装備が必要になります。
大弛峠へのマイカー規制に注意
大弛峠(標高2,360m・日本最高所の車道峠)へアクセスする林道(川上牧丘林道)は、シーズン中の週末・ハイシーズンにマイカー規制が実施されることがあります。規制期間中は路線バスまたはシャトルバスへの乗り換えが必要です。最新情報は山梨市・長野県川上村の公式サイトで確認してください。
五丈岩はクライミング装備なしには登れない
山頂に立つ五丈岩(高さ約15m)は一見すると登れそうに見えますが、ロープや岩登りの技術なしに登頂するのは危険です。毎年スリップによる転落事故が発生しています。五丈岩はその存在を目で楽しむものと割り切り、無理に取り付かないようにしましょう。
午後の雷雨に注意
標高2,500m以上の稜線では、夏の午後に雷雨が発生しやすくなります。山頂には12〜13時頃までに到着し、早めに下山するよう計画してください。
まずはこれがおすすめ|金峰山モデルコース2選
1. 瑞牆山荘コース(定番・日帰りの王道)
瑞牆山荘(1,520m) → 富士見平小屋 → 大日岩 → 砂払ノ頭 → 金峰山山頂(2,599m) → 往路下山
- 所要時間の目安:7〜8時間(休憩含む)
- 向いている人:関東から電車でアクセスしたい人、瑞牆山との縦走も視野に入れている人
- 特徴:富士見平小屋を経由し、大日岩・砂払ノ頭の稜線から五丈岩を目指す王道ルート
| ポイント | 標高 | 前ポイントからのCT |
|---|---|---|
| 瑞牆山荘 | 1,520m | スタート |
| 富士見平小屋 | 1,800m | 約50分 |
| 大日岩 | 2,200m | 約1時間20分 |
| 砂払ノ頭 | 2,317m | 約35分 |
| 金峰山山頂 | 2,599m | 約1時間10分 |
| (往路下山) | 約3時間30分〜4時間 |
- 歩行距離:約16km(往復)
- 累積標高差:約1,130m
樹林帯の急登をこなして富士見平小屋に着くと、一気に展望が開けます。大日岩付近からは岩稜帯が始まり、砂払ノ頭以降は森林限界を超えた開放的な稜線歩きに。五丈岩と山頂の景色が少しずつ近づいていく高揚感は、このコース最大の醍醐味です。
2. 大弛峠コース(最短・累積標高差が最も少ない)
大弛峠(2,360m) → 朝日岳(2,579m) → 金峰山山頂(2,599m) → 往路下山
- 所要時間の目安:4〜5時間(休憩含む)
- 向いている人:体力的に余裕がほしい人、マイカーでアクセスする人
- 特徴:日本最高所の車道峠から出発するため、累積標高差は約240m程度
| ポイント | 標高 | 前ポイントからのCT |
|---|---|---|
| 大弛峠 | 2,360m | スタート |
| 朝日峠 | 2,430m | 約25分 |
| 朝日岳 | 2,579m | 約55分 |
| 金峰山山頂 | 2,599m | 約45分 |
| (往路下山) | 約1時間50分〜2時間 |
- 歩行距離:約8km(往復)
- 累積標高差:約340m
出発地点が既に2,360mと高いため、高山の稜線歩きを最初から楽しめます。朝日岳を越えると金峰山の山頂と五丈岩が正面に現れ、気持ちの良い稜線歩きが続きます。ただし大弛峠まではマイカーまたはシャトルバスが必要で、公共交通のみでのアクセスは困難です。
見どころ
五丈岩
山頂に屹立する高さ約15mの巨岩。山梨側からアプローチすると、稜線上にだんだんと姿を現すその存在感は圧倒的です。岩の色は時間帯や天候によって変化し、夕暮れ時にはオレンジ色に染まる神秘的な姿を見せます。金峰山のシンボルとして、山頂標識とともに記念写真の定番スポットです。
山頂からの360度大展望
山頂は開けた岩稜で、遮るものがない大パノラマを楽しめます。南に富士山、西に南アルプス全山(北岳・甲斐駒・仙丈ヶ岳)、北西に八ヶ岳連峰、北に北アルプス(槍・穂高)、東に奥秩父の稜線が連なります。天気に恵まれれば、関東甲信越の名峰をほぼ一望できる絶景です。
砂払ノ頭の稜線
瑞牆山荘コースで森林限界を超えた先にある開放的な稜線。金峰山山頂と五丈岩を正面に望みながら歩く区間で、道中一番の「来てよかった」と感じる場所です。天気の良い日は遠くに富士山も見え、稜線を歩く爽快感を存分に楽しめます。
富士見平小屋と周辺の展望
瑞牆山荘コースの中間地点にある富士見平小屋は、その名の通り富士山を望める展望地です。テント場も備わっており、瑞牆山との1泊2日縦走の拠点として人気があります。小屋前のベンチでひと休みしながら、これから目指す金峰山を見上げるひとときも格別です。
奥秩父の苔と樹林帯
登山口から富士見平小屋までの区間は、シラビソ・コメツガの原生林が続きます。岩の上に広がる緑の苔と、鳥の声だけが響く静かな樹林帯は、奥秩父ならではの深山の雰囲気です。山頂の開放的な景観とのコントラストも、このコースの魅力のひとつです。
服装
標高2,599mの高山で、稜線はほぼ常に風が吹いています。夏の晴れた日でも山頂付近は10〜15℃程度まで下がることがあり、レインウェア・フリースは必携です。
| 季節 | ポイント |
|---|---|
| 6月上旬〜中旬 | 残雪が残ることがある。チェーンスパイク・ゲイター持参を推奨 |
| 7〜8月 | 夏山の盛期。午後の雷雨に要注意。防寒着・レインウェアは必携 |
| 9〜10月上旬 | 紅葉シーズン。朝晩は5℃以下になることも。ダウン・厚手グローブ必携 |
| 10月中旬以降 | 山頂付近は霜・初雪の可能性。軽アイゼンまたはチェーンスパイクを準備 |
- ベースレイヤー:速乾性の長袖(通年)
- ミドルレイヤー:フリースまたは薄手ダウン(必携)
- アウター:レインウェア(防風兼用・必携)
- ボトムス:ストレッチ素材のロングパンツ
- 靴:ミドルカット以上の登山靴(岩稜帯対応)
- グローブ:稜線歩き中は必携
- 帽子:日差しと防風のため
持ち物チェックリスト
- 飲み物(富士見平小屋・金峰山小屋で補充可能だが、出発時に1L以上持参)
- 行動食・昼食
- レインウェア(必携)
- フリースまたは薄手ダウン(必携)
- トレッキンググローブ
- 帽子(日差し・防寒)
- 地図アプリ(YAMAP・ヤマレコなど)
- モバイルバッテリー
- ヘッドライト(日帰りでも必携)
- 日焼け止め
- チェーンスパイク(6月上旬・10月以降)
- ゲイター(残雪期・泥道対策)
アクセス
公共交通の場合(瑞牆山荘コース)
JR中央本線「韮崎駅」または「清里駅」→ シャトルバスで「瑞牆山荘」下車
- 韮崎駅から山梨交通のバスで約1時間20分(シーズン限定運行)
- 清里駅から増富ラジウム鉱泉経由のバス・タクシー(本数少ない)
- 東京(新宿)から中央本線特急を利用すると韮崎まで約1時間20分
シャトルバスの運行は例年7月中旬〜10月中旬の週末・祝日が中心です。それ以外の時期や平日は本数が極めて少なくなるため、マイカーまたはタクシーの利用を検討してください。
山梨交通バス 瑞牆山シャトルバス:https://www.yamanashikotsu.co.jp/
車の場合(瑞牆山荘コース)
中央自動車道「須玉IC」から約40分。瑞牆山荘周辺に無料駐車場あり(台数に限りあり)。シーズン中の週末は早朝から混雑するため、5〜6時頃の到着を目安にしてください。
車の場合(大弛峠コース)
山梨側:中央自動車道「勝沼IC」から川上牧丘林道経由で約1時間30分。 長野側:上信越自動車道「佐久IC」から川上村経由で約1時間30分。
川上牧丘林道は未舗装の山岳林道で、普通乗用車でもアクセスできますが、急カーブと落石が多いため慎重な運転が必要です。また、シーズン中の週末はマイカー規制が実施されることがあります。事前に山梨市・川上村の公式情報を必ず確認してください。
トイレ
瑞牆山荘・富士見平小屋・金峰山小屋・大弛峠にトイレがあります(金峰山小屋・富士見平小屋は利用協力金が必要な場合があります)。山頂付近にはトイレがないため、金峰山小屋か砂払ノ頭以前に済ませてから山頂を目指してください。
混雑しやすい時期と対策
- 7〜8月の週末:瑞牆山荘の駐車場は早朝から満車になることがある。5〜6時前の到着を目標に
- 紅葉シーズン(10月上旬〜中旬):年間で最も混雑する時期。平日でも大弛峠の路上駐車が発生する場合あり
- ゴールデンウィーク(5月):残雪が多く初心者には難しい。チェーンスパイク必携
混雑を避けるには平日または早朝出発が有効です。大弛峠コースは週末のマイカー規制情報を事前に確認してから計画してください。
初心者が気をつけたいポイント
瑞牆山荘コースは累積標高差が大きい
瑞牆山荘コースの累積標高差は約1,130m。これは奥秩父の山の中でもしっかりとした体力が求められる水準です。大日岩より上の岩稜帯は急登が続くため、ペース配分を意識して歩いてください。
五丈岩に無理に登らない
毎年、五丈岩での滑落事故が報告されています。岩の表面は見た目以上に滑りやすく、クライミング用具なしに上部まで登るのは危険です。五丈岩は眺めるものと割り切ってください。
大弛峠コースは高所発症に注意
大弛峠は標高2,360mから始まります。普段から平地にいる人が一気に車でこの高度まで上がると、頭痛・吐き気などの高山病症状が出ることがあります。出発前に水分をしっかり摂り、登り始めはゆっくりしたペースを保ってください。
下山後の体力を残しておく
山頂の達成感から下山を急ぎがちですが、金峰山の下りは長く、岩場での踏み外しが起きやすいのは疲れが出る下山時です。ヘッドライトを必ず携行し、時間に余裕をもった計画を立ててください。
天候が悪い日は稜線に出ない
稜線上は視界が悪くなると道迷いのリスクが高まります。特に砂払ノ頭以上の稜線は風も強くなるため、天気予報が悪い日は瑞牆山荘や富士見平小屋での引き返し判断も大切です。
金峰山はどんな人に向いている?
- 奥秩父の雄大な景色と稜線歩きを楽しみたい人
- 日本百名山に挑戦したい人
- 富士山・八ヶ岳・南アルプスを一度に見渡したい人
- 瑞牆山との縦走を計画している人
- 大弛峠から手軽に2,500m超の稜線を歩いてみたい人
逆に、「登山経験が少ない」「岩場の急登が苦手」「公共交通で平日に行きたい」という場合は、行程・装備・アクセス手段を事前に十分確認してから計画することをおすすめします。
まとめ
金峰山は、五丈岩のシンボリックな存在感・奥秩父随一の大展望・複数ある登山ルートの選択肢を兼ね備えた、関東近郊を代表する百名山です。
瑞牆山荘コースは関東からのアクセスが比較的良く、シャトルバスを活用すればマイカーなしでも日帰りが可能です。大弛峠コースはマイカー規制の確認が必要ですが、最短で稜線歩きと山頂の絶景を楽しめる優れたルートです。
夏の晴れた日に砂払ノ頭の稜線に立ち、目の前に五丈岩と富士山を眺めたとき、「奥秩父に来た」という充実感を感じられる山です。ぜひ計画してみてください。