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横岳(八ヶ岳)登山ガイド|美濃戸周回・杣添尾根・稲子湯コースのグレーディングと鎖場・高山植物・山小屋情報【2026年】

Σ64, Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)/行者小屋より望む横岳(大同心・小同心)

·⛰ 横岳 (2,829m)·長野県·難易度: 中級·⏱ 約6時間〜11時間48分(コースにより日帰り〜1泊2日)

横岳(八ヶ岳)登山ガイド|美濃戸周回・杣添尾根・稲子湯コースのグレーディングと鎖場・高山植物・山小屋情報【2026年】

南八ヶ岳の赤岳と硫黄岳の間に連なる岩稜峰・横岳(最高点:奥ノ院・標高2,829m)の登山ガイド。長野県山のグレーディングに基づく美濃戸からの赤岳・横岳・硫黄岳周回コース(4C)や稲子湯コース(5C)、南牧村側の杣添尾根コース、大同心・小同心・三叉峰・石尊峰の鎖場とツクモグサ・ウルップソウなどの高山植物、周辺山小屋・駐車場情報を整理します。

目次

  1. 横岳(八ヶ岳)の概要
  2. ルート解説(長野県山のグレーディング・南牧村公式案内)
  3. 1. 美濃戸 〜 赤岳 〜 横岳 〜 硫黄岳 周回コース(茅野市側)
  4. 2. 杣添尾根(そまぞえおね)コース(南牧村側)
  5. 3. 稲子湯 〜 本沢温泉 〜 硫黄岳 〜 横岳 往復コース(小海町側)
  6. アクセスと駐車場・登山口情報
  7. 1. 美濃戸口・美濃戸(茅野市側)
  8. 2. 杣添尾根登山口(南牧村側)
  9. 3. 稲子湯・本沢温泉入口(小海町側)
  10. 周辺の山小屋情報(南牧村公式案内ほか)
  11. 見どころ
  12. 1. ツクモグサ・ウルップソウ・コマクサが彩る高山植物の稜線
  13. 2. 大同心・小同心の岩壁と赤岳・富士山・北アルプスの展望
  14. 注意点と安全登山のポイント
  15. 1. 連続する鎖場・ハシゴ・ナイフリッジでの滑落防止とヘルメット着用
  16. 2. 残雪期・初冬期の凍結と森林限界上の強風対策
  17. 参考リンク

横岳(八ヶ岳)の概要

横岳(よこだけ・標高2,829m)は、長野県茅野市・南佐久郡南牧村・小海町の境に位置し、南八ヶ岳の主稜線上で最高峰の赤岳(標高2,899m)と硫黄岳(標高2,760m)の間に南北に連なる岩稜帯の総称です。北八ヶ岳にある北横岳(標高2,480m)と区別して「南八ヶ岳の横岳」とも呼ばれます。

横岳は単一のピークではなく、北端の最高点である奥ノ院(標高2,829m)をはじめ、無名峰・二十三夜峰・日ノ岳・鉾岳・石尊峰・三叉峰(標高2,825m)などの小ピークが連なる複雑な岩峰群を形成しており、西面にはロッククライミングの岩壁として知られる大同心・小同心がそびえています。稜線上にはハシゴや鎖場が連続する一方、6月上旬〜7月中旬にかけてはツクモグサ・ウルップソウ・チョウノスケソウ・キバナシャクナゲ・コマクサなどの高山植物が開花する八ヶ岳有数の高山植物帯でもあります。

長野県の「登山計画書の提出を要する指定登山道」の対象山岳に含まれており、入山時は事前の登山計画書(登山届)の提出が必要です。

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ルート解説(長野県山のグレーディング・南牧村公式案内)

「長野県山のグレーディング(2026年版)」および「日本百名山における登山ルート・グレーディング一覧表」に掲載されている横岳関連ルート、ならびに南牧村公式登山マップで案内されている杣添尾根コースの数値は以下の通りです。

ルート名 体力度 技術的難易度 合計コースタイム ルート長 累積登り / 下り
【周】赤岳・横岳・硫黄(美濃戸) 4 C 9.8時間(約9時間48分) 15.3km 1,480m / 1,480m
横岳(稲子湯) 5 C 11.8時間(約11時間48分) 19.3km 1,790m / 1,790m
杣添尾根コース(南牧村・杣添登山口〜横岳往復) 4(赤岳杣添基準) C 参考:行き約3時間25分・帰り約2時間35分(南牧村公式) 約8.7km(参考) —

※体力度4〜5は「1泊以上が適当(健脚者の早出日帰り〜山小屋1泊)」、技術的難易度Cは「ハシゴ・くさり場、また場所により雪渓や渡渉箇所があり、ミスをすると転落・滑落などの事故になる場所がある。地図読み能力、ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力が必要」なランクです。


1. 美濃戸 〜 赤岳 〜 横岳 〜 硫黄岳 周回コース(茅野市側)

八ヶ岳西麓の美濃戸(標高1,690m)を起点に、南沢から行者小屋・文三郎尾根(または地蔵尾根)を経て赤岳(標高2,899m)へ登り、赤岳天望荘から横岳の岩稜(三叉峰・石尊峰・鉾岳・日ノ岳・二十三夜峰・奥ノ院)を縦走して硫黄岳山荘・硫黄岳(標高2,760m)へ至り、赤岩の頭・オーレン小屋・北沢経由で美濃戸へ戻る南八ヶ岳の代表的な周回ルートです(逆回りの北沢・赤岳鉱泉→硫黄岳→横岳→赤岳→行者小屋→南沢も広く歩かれています)。

コースデータ(長野県山のグレーディング 2026年版)

  • 体力度 / 技術的難易度: 体力度 4 / 難易度 C
  • 合計コースタイム: 9.8時間(約9時間48分)
  • ルート長: 15.3km
  • 累積標高差: 登り 1,480m / 下り 1,480m
  • 主な経由地: 美濃戸(標高1,690m) → 行者小屋 → 赤岳(2,899m) → 赤岳天望荘 → 地蔵の頭 → 横岳(三叉峰・石尊峰・鉾岳・奥ノ院 2,829m) → 硫黄岳山荘 → 硫黄岳(2,760m) → 赤岩の頭 → 赤岳鉱泉 → 美濃戸

2. 杣添尾根(そまぞえおね)コース(南牧村側)

八ヶ岳東麓・南牧村(海ノ口自然郷上部)の**杣添尾根登山口(標高約1,760m)から樹林帯の尾根を登り、森林限界を抜けて主稜線上の三叉峰(標高2,825m)**へ直登し、北隣の横岳最高点・**奥ノ院(標高2,829m)**を往復するコースです。横岳の主稜線へ最短時間で到達できる東面ルートであり、三叉峰から南へ進めば赤岳(長野県グレーディング「赤岳(杣添登山口)」:体力度4・難易度C・合計8.2時間・11.5km・累積登り/下り1,450m)へも接続します。

コースデータ(南牧村公式マップ・長野県グレーディング参考)

  • 所要時間の目安(南牧村公式マップ): 杣添尾根登山口 → 横岳:登り 3時間25分 / 下り 2時間35分(往復約6時間)
  • 横岳〜周辺ピーク間の所要時間(南牧村公式マップ):
    • 横岳 ⇄ 硫黄岳:行き 50分 / 戻り 1時間10分
    • 横岳 ⇄ 赤岳:行き 1時間30分 / 戻り 1時間20分
  • 主な経由地: 杣添尾根登山口(標高1,760m) ⇄ 南八ヶ岳林道横断(東屋) ⇄ 見晴台 ⇄ 三叉峰(2,825m) ⇄ 石尊峰・鉾岳・日ノ岳・二十三夜峰 ⇄ 横岳(奥ノ院・2,829m)
  • 注意点: 杣添尾根の途中に山小屋・水場・トイレはありません。水と行動食を十分に携行し、主稜線上の硫黄岳山荘または赤岳天望荘の位置を確認して行動してください。

3. 稲子湯 〜 本沢温泉 〜 硫黄岳 〜 横岳 往復コース(小海町側)

小海町の稲子湯(標高1,500m)または本沢温泉入口から、通年営業の山小屋である本沢温泉(標高2,150m)・夏沢峠・箕冠山・根石岳または硫黄岳を経て横岳(奥ノ院・標高2,829m)を往復するロングルートです。

コースデータ(長野県山のグレーディング 2026年版)

  • 体力度 / 技術的難易度: 体力度 5 / 難易度 C
  • 合計コースタイム: 11.8時間(約11時間48分)
  • ルート長: 19.3km
  • 累積標高差: 登り 1,790m / 下り 1,790m
  • 主な経由地: 稲子湯(標高1,500m) ⇄ みどり池(しらびそ小屋) ⇄ 本沢温泉 ⇄ 夏沢峠 ⇄ 硫黄岳(2,760m) ⇄ 硫黄岳山荘 ⇄ 横岳(奥ノ院・2,829m)

アクセスと駐車場・登山口情報

1. 美濃戸口・美濃戸(茅野市側)

  • 公共交通機関: JR中央本線「茅野駅」からアルピコ交通バス(美濃戸口線)で約40分〜45分、終点「美濃戸口」下車。美濃戸口から美濃戸(赤岳山荘・やまのこ村・美濃戸山荘前)までは林道徒歩約1時間。
  • マイカー: 中央自動車道「諏訪南IC」または「諏訪IC」から美濃戸口へ(有料駐車場あり)。美濃戸口から先の美濃戸林道は未舗装で凹凸が激しいため、車種に応じて美濃戸口駐車場の利用が推奨されます。

2. 杣添尾根登山口(南牧村側)

  • マイカー・タクシー: 中央自動車道「長坂IC」または「須玉IC」、中部横断自動車道「八千穂高原IC」から国道141号・八ヶ岳高原ロッジ(海ノ口自然郷)方面へ進み、別荘地上部の杣添尾根登山口へ。JR小海線「野辺山駅」からはタクシー利用となります。
  • 駐車場: 杣添尾根登山口付近に駐車スペース(南牧村公式マップ記載:8台)があります。台数が限られるため、別荘地内の路上駐車は厳禁です。

3. 稲子湯・本沢温泉入口(小海町側)

  • 公共交通機関・マイカー: JR小海線「小海駅」または「松原湖駅」から町営バス(路線バス)で「稲子湯」方面へ、または中部横断自動車道「八千穂高原IC」から国道299号(メルヘン街道)・稲子湯方面へアクセスします。

周辺の山小屋情報(南牧村公式案内ほか)

横岳の主稜線および主要アプローチ上には以下の山小屋が営業しています(※営業期間・料金・予約方法は変更される場合があるため、出発前に各山小屋の公式案内を確認してください)。

  • 硫黄岳山荘(横岳奥ノ院と硫黄岳の鞍部付近):4月下旬〜11月中旬営業。バイオトイレ・売店あり。周辺はコマクサの保護群生地となっています。
  • 赤岳天望荘(横岳南端・地蔵の頭と赤岳の間):4月下旬〜11月上旬、および冬期(12月下旬〜2月下旬)営業。
  • 赤岳鉱泉・行者小屋(美濃戸・北沢/南沢ルート上の拠点):赤岳鉱泉は通年営業、行者小屋は季節営業。テント場あり。
  • 本沢温泉(標高2,150m・稲子湯コース上の拠点):通年営業。内湯および日本最高所の野天風呂「雲上の湯」があります。

見どころ

1. ツクモグサ・ウルップソウ・コマクサが彩る高山植物の稜線

横岳の岩稜帯は八ヶ岳のなかでも高山植物の種類が豊富で、南牧村公式案内ではツクモグサ(6月上旬〜7月上旬)、ウルップソウ(6月下旬〜7月中旬)、キバナシャクナゲ(6月下旬〜7月下旬)、コマクサ(6月下旬〜7月下旬)などの開花期が案内されています。希少植物保護のため、ロープ柵の外へ踏み出さないよう厳守してください。

2. 大同心・小同心の岩壁と赤岳・富士山・北アルプスの展望

横岳西面にそびえる大同心・小同心の岩峰と、南に立ち上がる赤岳・阿弥陀岳の荒々しい山容を間近に望むことができます。天気が良い日は富士山、南アルプス、中央アルプス、北アルプス、浅間山まで360度の展望が広がります。


注意点と安全登山のポイント

1. 連続する鎖場・ハシゴ・ナイフリッジでの滑落防止とヘルメット着用

三叉峰から奥ノ院にかけての横岳主稜線(石尊峰・鉾岳・日ノ岳・二十三夜峰周辺)には、切れ落ちた岩壁をトラバースする鎖場や垂直に近い鉄ハシゴが連続します。転倒・滑落や落石による重大事故を防ぐため、ヘルメットの着用と三点支持の徹底、すれ違い時の譲り合いが必要です。

2. 残雪期・初冬期の凍結と森林限界上の強風対策

南牧村公式マップでも注意喚起されている通り、八ヶ岳は6月でも残雪があり、10月中旬〜11月以降は降雪・凍結が始まります。岩場や鎖場が凍結すると難易度が大幅に上がるため、時期に応じたチェーンスパイクやアイゼン・ピッケル等の冬山装備と防風・防寒対策を徹底してください。


参考リンク

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執筆・確認

山日記編集部

実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。

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