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梅雨入り前に登っておきたい山10選|シャクナゲ・ツツジが見ごろの5月下旬おすすめコース

写真:Alpsdake, Wikimedia CommonsCC BY-SA 4.0)/ハクサンシャクナゲ(Rhododendron brachycarpum)の花

梅雨入り前に登っておきたい山10選|シャクナゲ・ツツジが見ごろの5月下旬おすすめコース

目次

  1. 梅雨前の5月下旬〜6月初旬は、花の登山シーズン
  2. 梅雨前おすすめの山10選
  3. 山の詳細
  4. 群馬エリア
  5. 山梨エリア
  6. 神奈川・東京エリア
  7. 埼玉エリア
  8. 静岡・伊豆エリア
  9. 福島エリア
  10. 花の見ごろカレンダー(梅雨前)
  11. 梅雨前登山の注意点
  12. 天気の読み方
  13. 気温・服装
  14. ヤマビル(山ビル)対策
  15. まとめ
  16. 関連記事

梅雨前の5月下旬〜6月初旬は、花の登山シーズン

関東甲信越の梅雨入りは例年6月上旬(平均6月7日ごろ)。梅雨が明ければ夏山シーズンが始まりますが、その直前の5月下旬〜6月初旬こそ、実は花の登山シーズンのクライマックスです。

この時期に一斉に見ごろを迎えるのが、3つの花です。

特徴 見ごろ(標高別)
シャクナゲ(石楠花) 深山に咲く大輪の花。ピンク〜白色。日本の固有種が多い 標高1,500〜2,000m:5月中旬〜6月中旬
レンゲツツジ(蓮華躑躅) 高原に広がるオレンジ色の群落。国内最大級は赤城山 標高1,000〜1,800m:5月下旬〜6月中旬
シロヤシオ(白八汐) 白い五弁花が木々を彩る。丹沢・奥多摩で多く見られる 標高1,000〜1,500m:5月下旬〜6月上旬

梅雨が明けると花は終わり、暑さと蒸し暑さで山は一変します。「花を見ながら気持ちよく歩ける最後のチャンス」が梅雨前です。

この記事では、この時期に登っておきたいおすすめの山を10座ピックアップしました。


梅雨前おすすめの山10選

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山の詳細

群馬エリア

赤城山(群馬・1,828m)— レンゲツツジの群落が国内最大規模

見どころ:レンゲツツジ/見ごろ:6月上旬〜中旬

赤城山の覚満淵(かくまんぶち)〜小沼(この)周辺に広がるレンゲツツジの群落は、国内最大規模とも言われるほどの壮観さです。オレンジ色のツツジが高原一面を染め上げる光景は、他の山では見られない梅雨前限定の絶景です。

山頂(黒檜山・1,828m)からは関東平野と日光連山を一望でき、花と展望を同時に楽しめるのが赤城山の強みです。

  • 難易度:★★☆☆☆
  • コースタイム:黒檜山往復で約3〜4時間(花の散策含まず)
  • アクセス:JR両毛線「前橋駅」または高崎線「高崎駅」から関越交通バスで「赤城山ビジターセンター」へ(約1時間)。車は関越道「前橋IC」から約40分
  • 梅雨前ポイント:覚満淵〜小沼遊歩道のレンゲツツジが見事。6月の第2週が最盛期の目安

那須岳(栃木・1,915m)— ヤシオツツジと那須五峰の尾根歩き

見どころ:アカヤシオ・シャクナゲ/見ごろ:5月下旬〜6月上旬

栃木県の那須岳(茶臼岳・1,915m)周辺では、5月下旬にアカヤシオとミネヤナギが稜線を彩り、続いて朱ノ峰周辺でシャクナゲが咲きます。ロープウェイ(那須ロープウェイ)で標高1,684mまで一気に上がれるため、体力面のハードルが低いのも魅力です。

茶臼岳火口周辺〜朝日岳〜三斗小屋温泉への縦走コースは、花と火山地形と温泉を一度に体感できる梅雨前の定番ルートです。

  • 難易度:★★☆☆☆(茶臼岳往復)〜★★★☆☆(朝日岳縦走)
  • コースタイム:山頂駅〜茶臼岳往復で約2時間。那須岳〜朝日岳周回で約4〜5時間
  • アクセス:東北新幹線「那須塩原駅」から東野バスで那須ロープウェイへ(約50分)。車は東北道「那須IC」から約30分
  • 梅雨前ポイント:朝日岳稜線のシャクナゲは5月下旬〜6月上旬が見ごろ。ロープウェイ周辺のアカヤシオは5月中旬から

山梨エリア

③ 瑞牆山(山梨・2,230m)— シャクナゲ咲く奇岩の名山

見どころ:シャクナゲ(ハクサンシャクナゲ・コイワカガミ)/見ごろ:5月下旬〜6月上旬

巨大な花崗岩の岩峰が林立する瑞牆山(みずがきやま)は、シャクナゲの名山として知られています。富士見平小屋から山頂へ向かう登山道では、5月下旬〜6月上旬に登山道沿いのハクサンシャクナゲが次々と開花し、岩峰と花のコントラストが美しい光景を作り出します。

百名山でありながら登山口から山頂まで往復5〜6時間とコンパクトで、梅雨前の日帰り登山に最適な山です。

  • 難易度:★★★☆☆
  • コースタイム:みずがき山自然公園から山頂往復で約5〜6時間
  • アクセス:JR中央本線「韮崎駅」から山梨峡北交通バスで「瑞牆山荘」へ(約1時間)。車は中央道「須玉IC」から約50分
  • 梅雨前ポイント:富士見平小屋〜山頂の登山道沿いのシャクナゲは関東近郊の中でもトップクラスの見ごたえ

④ 三つ峠山(山梨・1,785m)— 富士山を背景にシャクナゲが咲く

見どころ:シャクナゲ/見ごろ:5月中旬〜5月下旬

河口湖の北に位置する三つ峠山(みつとうげさん・1,785m)は、富士山の正面に位置する展望台として人気の山です。山頂直下の斜面には5月中旬〜下旬にかけてシャクナゲが群生し、富士山とシャクナゲの写真が撮れる贅沢なスポットとして知られています。

登山口(三つ峠登山口)からのコースは整備されており、初中級者でも安心して歩けます。富士急行線・河口湖駅からのアクセスもしやすい山です。

  • 難易度:★★☆☆☆
  • コースタイム:三つ峠登山口から山頂往復で約4時間
  • アクセス:富士急行線「三つ峠駅」から徒歩約1時間30分(登山口まで)、またはタクシー利用。車は中央道「都留IC」から約20分
  • 梅雨前ポイント:5月中旬〜下旬が花のピーク。梅雨入り前に行くなら5月20日〜30日が狙い目

⑤ 乾徳山(山梨・2,031m)— 岩峰・シャクナゲ・360度展望の三拍子

見どころ:シャクナゲ/見ごろ:5月下旬〜6月上旬

山梨・甲州市にある乾徳山(けんとくさん・2,031m)は、草原・樹林帯・シャクナゲ群落・岩峰と、コンパクトながら変化に富んだルートが魅力の山です。国師ヶ原(標高約1,700m)のシャクナゲ群落は5月下旬〜6月上旬が見ごろで、梅雨前の鮮やかなピンクが迎えてくれます。山頂直下の鎖場や岩稜は登山の醍醐味があり、中級者向けながら達成感の高い一座です。

  • 難易度:★★★☆☆
  • コースタイム:乾徳山登山口から山頂往復で約6〜7時間
  • アクセス:JR中央本線「山梨市駅」から山梨交通バスで「乾徳山登山口」へ(約40分)。車は中央道「勝沼IC」から約30分
  • 梅雨前ポイント:国師ヶ原のシャクナゲ群落が特に見事。山頂からは富士山・南アルプス・奥秩父の山々が望める

神奈川・東京エリア

⑥ 丹沢・塔ノ岳(神奈川・1,491m)— シロヤシオ咲く丹沢の定番峰

見どころ:シロヤシオ・ヤマツツジ/見ごろ:5月下旬〜6月上旬

丹沢の人気コース・大倉尾根から登る塔ノ岳は、5月下旬〜6月上旬にシロヤシオとヤマツツジが見ごろを迎えます。特に新茅山荘周辺〜書策新道・本谷橋沿いのシロヤシオは、西丹沢の花の名所として知られています。

梅雨が来ると丹沢は一気に蒸し暑くなり、ヒルの活動も活発になるため、梅雨前が丹沢登山の最適な時期のひとつです。

  • 難易度:★★★☆☆
  • コースタイム:大倉から塔ノ岳往復で約5〜6時間
  • アクセス:小田急線「渋沢駅」から神奈中バスで「大倉」へ(約15分)
  • 梅雨前ポイント:梅雨入り後はヒル(ヤマビル)が急増する丹沢。5月中に登っておくのが賢い選択

⑦ 三頭山(東京・1,531m)— 奥多摩の静かな山でヤマツツジと新緑を楽しむ

見どころ:ヤマツツジ・新緑/見ごろ:5月中旬〜5月下旬

東京都奥多摩の最奥に位置する三頭山(みとうさん・1,531m)は、都内最高峰エリアにありながら静かに歩ける穴場的な山です。5月中旬〜下旬にかけて山腹のヤマツツジが見ごろを迎え、新緑と赤橙のコントラストが美しい時期になります。都民の森(三頭大滝を含む)から登るルートは整備されており、家族連れにも歩きやすい登山道です。

  • 難易度:★★☆☆☆
  • コースタイム:都民の森から三頭山山頂往復で約4〜5時間
  • アクセス:JR青梅線「武蔵五日市駅」から西東京バスで「都民の森」へ(約1時間)。車は圏央道「檜原村」方面から
  • 梅雨前ポイント:三頭大滝の新緑とヤマツツジの組み合わせが5月の三頭山の魅力

埼玉エリア

武甲山(埼玉・1,304m)— 秩父の象徴。ヤマツツジと石灰岩の山

見どころ:ヤマツツジ・新緑/見ごろ:5月中旬〜5月下旬

秩父盆地を見下ろす武甲山(ぶこうさん・1,304m)は、ヤマツツジと新緑の5月が登山の好シーズンです。石灰岩採掘で独特のシルエットになった山ですが、登山道は豊かな自然林の中を歩くルートが整備されており、シャクナゲ・ヤマツツジが登山道を彩ります。標高差600m程度の1本道で、初中級者に取り組みやすい山です。

  • 難易度:★★☆☆☆
  • コースタイム:一の鳥居から山頂往復で約4時間
  • アクセス:西武秩父線「横瀬駅」から徒歩約1時間(一の鳥居まで)。車は関越道「花園IC」から国道299号経由で約50分
  • 梅雨前ポイント:表参道コースのヤマツツジ・シャクナゲ(5月中旬〜下旬)が狙い目。梅雨前に秩父を歩く旅としても良い

静岡・伊豆エリア

⑨ 天城山(静岡・1,406m)— アマギシャクナゲ固有種。百名山の花の名峰

見どころ:アマギシャクナゲ(天城山固有種)/見ごろ:5月中旬〜6月初旬

静岡県伊豆半島の天城山(万三郎岳・1,406m)は、アマギシャクナゲ(Rhododendron macrosepalum var. ...)という天城山固有のシャクナゲの変種が自生する、花の百名山です。万三郎岳の山頂付近〜涸沢分岐周辺の群落は5月中旬〜6月初旬が見ごろで、他では見られないアマギシャクナゲの大輪のピンク色が林の中に広がります。

アマギツツジも同時期に見ごろを迎えるため、シャクナゲとツツジを同時に楽しめる贅沢な一座です。

  • 難易度:★★☆☆☆
  • コースタイム:天城高原ゴルフ場駐車場から万三郎岳往復で約5〜6時間(四辻〜万三郎岳〜万次郎岳周回コース)
  • アクセス:伊豆箱根鉄道「修善寺駅」から東海バスで「天城高原」へ(約1時間)。車は伊豆縦貫道「月ヶ瀬IC」から約40分
  • 梅雨前ポイント:天城山固有種・アマギシャクナゲは5月中旬〜6月初旬が全盛期。梅雨入り(静岡は6月初旬)前の限られた期間が勝負

福島エリア

⑩ 安達太良山(福島・1,700m)— 高原を染めるシャクナゲとアカヤシオ

見どころ:シャクナゲ・アカヤシオ/見ごろ:5月下旬〜6月上旬

福島県二本松市の安達太良山(あだたらやま・1,700m)は、ゴンドラ(あだたらエクスプレス)を使えば標高1,350mまで一気に上がれる、アクセス良好な百名山です。5月下旬〜6月上旬にかけて、山頂稜線周辺のシャクナゲとアカヤシオが見ごろを迎えます。広大な高原と火山地形が織りなす稜線に、鮮やかなピンクが点在する光景は梅雨前ならではです。

「智恵子抄」で知られる高村光太郎が「ほんとの空」と表現した安達太良山の青空も、5月〜6月初旬が最も澄んでいる時期です。

  • 難易度:★★☆☆☆
  • コースタイム:山頂駅(あだたらエクスプレス)から乳首岳往復で約3時間。奥岳登山口からの往復は約5〜6時間
  • アクセス:東北新幹線「二本松駅」から福島交通バスで「奥岳」へ(約50分)。車は東北道「本宮IC」から約30分
  • 梅雨前ポイント:福島の梅雨入りは関東より遅め(6月中旬ごろ)。6月上旬まで晴れが続きやすく、関東の梅雨入り後も楽しめる点も魅力

花の見ごろカレンダー(梅雨前)

花の種類 最盛期の目安
天城山 アマギシャクナゲ・アマギツツジ 5月15日〜6月5日
三つ峠山 シャクナゲ 5月20日〜6月1日
那須岳 アカヤシオ→シャクナゲ 5月20日〜6月5日
塔ノ岳(丹沢) シロヤシオ・ヤマツツジ 5月20日〜6月5日
三頭山 ヤマツツジ・新緑 5月15日〜5月31日
武甲山 ヤマツツジ・シャクナゲ 5月15日〜5月31日
瑞牆山 ハクサンシャクナゲ 5月25日〜6月10日
乾徳山 シャクナゲ 5月25日〜6月10日
安達太良山 シャクナゲ・アカヤシオ 5月25日〜6月10日
赤城山 レンゲツツジ 6月1日〜6月20日

赤城山のレンゲツツジは梅雨明けまで楽しめるのが他の山との違いです。5月下旬〜6月中旬の長い期間を狙えます。


梅雨前登山の注意点

天気の読み方

5月下旬〜6月初旬は、太平洋高気圧と梅雨前線がせめぎ合う不安定な時期です。週単位では晴れが続くこともありますが、急に崩れることもあります。

  • 梅雨入り日は毎年変わる(早い年は5月下旬)
  • 気象庁の「梅雨の見通し」を1〜2週間前から確認する
  • 行動当日の天気予報だけでなく、前日夜の「明日の天気」確認を習慣にする
  • レインウェアは必ず持参する(この時期の山では前提**

気温・服装

5月下旬でも標高2,000m前後では気温10℃以下になることがあります

  • フリースまたはソフトシェル(ミッドレイヤー)を必ず持参
  • 朝のスタート時は肌寒いことが多い
  • 日差しが強くなるため、日焼け止めと帽子も必須

ヤマビル(山ビル)対策

梅雨が始まると丹沢・奥多摩・奥武蔵などの低〜中山ではヤマビルが急増します。

  • 5月下旬でも登山口付近ではビルが出ることがある
  • ヤマビル忌避スプレー(塩水スプレーなど)を靴・靴下周辺にかけておく
  • 休憩時は座る前に足元を確認する

まとめ

  • シャクナゲ・ツツジの見ごろは5月中旬〜6月上旬。梅雨入り前の限られた期間が勝負
  • 赤城山のレンゲツツジは国内最大規模。6月上中旬がピーク
  • 瑞牆山・乾徳山・那須岳は岩場と花の組み合わせが楽しめる中級者向け
  • 天城山のアマギシャクナゲは天城山固有種。5月中旬〜6月初旬に行くべき
  • 安達太良山は福島の梅雨入りが遅いため、関東梅雨後でも楽しめる貴重な選択肢
  • 梅雨前は不安定な天気が続くため、レインウェアは必携
  • ヤマビル対策を忘れずに。丹沢・奥多摩は梅雨入りとともに急増する

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