山日記山日記
西穂高岳 登山ガイド|新穂高ロープウェイ(西穂丸山・西穂独標・ピラミッドピーク)コースと上高地コース、西穂山荘・運休情報【2026年】

Alpsdake, Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)/西穂高岳稜線から望む西穂山荘と焼岳・乗鞍岳

·⛰ 西穂高岳 (2,909m)·長野県・岐阜県·難易度: 上級·⏱ 約7時間48分(新穂高ロープウェイ西穂高口駅〜西穂高岳往復)/約5時間06分(西穂独標往復)

西穂高岳 登山ガイド|新穂高ロープウェイ(西穂丸山・西穂独標・ピラミッドピーク)コースと上高地コース、西穂山荘・運休情報【2026年】

西穂高岳(標高2,909m)の登山ガイド。新穂高ロープウェイ西穂高口駅から西穂山荘・西穂丸山・西穂独標・ピラミッドピークを経て主峰へ至るコースと上高地コース・焼岳縦走のグレーディングと参考タイム、通年営業の西穂山荘、新穂高ロープウェイの運賃・駐車場・2026年メンテナンス運休情報、登山ポスト移設などの注意点を公式情報をもとに解説します。

目次

  1. 西穂高岳の基本情報
  2. 登山コース紹介
  3. 1. 新穂高ロープウェイ(西穂高口駅)〜西穂山荘〜西穂丸山・西穂独標コース
  4. 2. 西穂独標〜ピラミッドピーク〜西穂高岳(主峰)往復コース
  5. 3. 上高地〜西穂山荘〜西穂高岳コース/焼岳縦走コース
  6. 4. 【最難関】西穂高岳〜ジャンダルム〜奥穂高岳〜穂高岳山荘 縦走コース
  7. アクセス・新穂高ロープウェイ情報
  8. 新穂高ロープウェイの運行・運賃(2026年)
  9. 【重要】2026年(令和8年)新穂高ロープウェイ メンテナンス運休情報
  10. 登山者用駐車場(新穂高温泉・鍋平高原)
  11. 公共交通機関(高山・松本・新宿方面から)
  12. 山小屋・テント場情報
  13. 西穂山荘(標高約2,385m)
  14. 西穂高岳の見どころ
  15. 注意点・安全登山のために
  16. 参考リンク

西穂高岳(にしほたかだけ)は、長野県松本市と岐阜県高山市の県境、北アルプス(飛騨山脈)南部の穂高連峰南西端に位置する標高2,909m(岐阜県「山のグレーディング」記載の最高地点標高は2,908.6m)の山です。通年営業の新穂高ロープウェイで標高2,156m(岐阜県グレーディング地点標高2,141.5m)の西穂高口駅まで一気に上がることができ、通年営業の山小屋である西穂山荘(にしほさんそう)を拠点に、展望の良い西穂丸山(標高2,452m)、岩稜登りの入口となる西穂独標(どっぴょう)(標高2,701m・第11峰)、そしてピラミッドピーク(第8峰)・チャンピオンピーク(第4峰)などの鋭い岩峰群を越えて主峰・西穂高岳へと至る段階的なルート構成が特徴です。

岐阜県および長野県の「山のグレーディング」では、目的地によって技術的難易度が大きく異なり、西穂丸山往復は難易度B、西穂独標往復は難易度C、西穂高岳山頂往復および上高地発着・焼岳縦走は難易度Dに区分されています。さらに西穂高岳からジャンダルムを経て奥穂高岳へ抜ける稜線は、一般登山道中もっとも険しい「難易度E」のバリエーション級の難路です。本記事では、岐阜県・長野県、岐阜県北アルプス山岳遭難対策協議会、北アルプス山小屋友交会、穂高岳山荘、新穂高ロープウェイの公式情報をもとに、コース別の詳細と参考タイム、新穂高ロープウェイの運賃・駐車場・2026年メンテナンス運休日程、西穂山荘の営業情報を解説します。

西穂高岳の基本情報

項目 内容
標高 2,909m(三角点2,908.6m/西穂独標 2,701m/西穂丸山 2,452m)
所在地 長野県松本市・岐阜県高山市
山域 北アルプス(飛騨山脈・中部山岳国立公園)
主な登山口 新穂高ロープウェイ 西穂高口駅(岐阜県側)、上高地(長野県側・標高約1,504m)
技術的難易度 B(西穂丸山往復)/C(西穂独標往復)/D(西穂高岳往復・焼岳縦走・上高地往復)/E(西穂高岳〜奥穂高岳縦走)
体力度 2(西穂丸山往復・西穂独標往復)/3(西穂高岳往復)/5(上高地往復・焼岳縦走)
参考コースタイム 西穂高口駅〜西穂高岳 往復:7.8時間(約7時間48分)/西穂独標 往復:5.1時間(約5時間06分)/西穂丸山 往復:3.1時間(約3時間06分)
主な山小屋・幕営地 西穂山荘(標高約2,385m・通年営業)、穂高岳山荘(奥穂高岳側・白出のコル)

岐阜県・長野県「山のグレーディング」において、技術的難易度Bは「沢、崖、場所により雪渓などを通過し、急な登下降や段差、道が分かりにくい所がある」、Cは「ハシゴ・くさり場、また場所により雪渓や渡渉箇所があり、ミスをすると転落・滑落などの事故につながる場所がある」、Dは「厳しい岩稜や不安定なガレ場、ハシゴ・鎖場などがあり、手を使う通過や転滑落・落石への備え、ルートファインディング技術が必要」とされる区分です。西穂独標より先は長野県山岳遭難防止対策協会による**「山岳ヘルメット着用推奨山域」**に含まれます。


登山コース紹介

岐阜県「山のグレーディング」および長野県「山のグレーディング」(2026年版)に掲載されている西穂高岳関連ルートの数値は以下の通りです。

ルート名 体力度 難易度 コースタイム ルート長 備考
西穂丸山(新穂高ロープウェイ)往復 2 B 3.1時間(約3時間06分) 4.7km 森林限界上の展望地(2,452m)まで
独標(新穂高ロープウェイ)往復 2 C 5.1時間(約5時間06分) 6.0km 独標手前のクサリ場転落注意
西穂高岳(新穂高ロープウェイ)往復 3 D 7.8時間(約7時間48分) 7.7km ピラミッドピーク周辺転・滑落注意
西穂高岳(上高地)往復(長野県) 5 D 12.0時間(約12時間00分) 12.8km 上高地〜西穂山荘〜西穂高岳
西穂高岳→焼岳(新穂高ロープウェイ・中尾) 5 D 13.2時間(約13時間12分) 17.2km 西穂高岳〜西穂山荘〜焼岳〜中尾登山口

1. 新穂高ロープウェイ(西穂高口駅)〜西穂山荘〜西穂丸山・西穂独標コース

新穂高ロープウェイの第1・第2ロープウェイを乗り継いで終点の「西穂高口駅」へ上がり、西穂山荘を経て森林限界上の「西穂丸山(2,452m)」または第11峰「西穂独標(2,701m)」を往復するコースです。

  • グレーディング:
    • 西穂丸山往復:体力度 2 / 技術的難易度 B(コースタイム 3.1時間、ルート長 4.7km)
    • 西穂独標往復:体力度 2 / 技術的難易度 C(コースタイム 5.1時間、ルート長 6.0km)
  • 区間タイムの目安(北アルプス山小屋友交会「西穂山荘」公式案内より):
    • 西穂高口駅 →(約1時間20分)→ 西穂山荘
    • 西穂山荘 ⇔ 西穂丸山 ⇔ 西穂独標(山荘〜西穂高岳山頂までは片道約3時間10分)
  • コースの特徴:
    • 西穂高口駅から西穂山荘までは、樹林帯の緩やかな下りののち登り返す整備された登山道です。
    • 西穂山荘から森林限界を抜けて約20〜30分登ると、穂高連峰や笠ヶ岳、焼岳・乗鞍岳を見渡せる西穂丸山に到着します。
    • 西穂丸山から先はガレた尾根道となり、第12峰を経て第11峰の**西穂独標(2,701m)**直下で急峻な岩場・クサリ場の登りとなります。岐阜県グレーディングでも「独標手前のクサリ場転落注意」と明記されており、三点支持での確実な岩場通過とヘルメットの着用が必要です。

2. 西穂独標〜ピラミッドピーク〜西穂高岳(主峰)往復コース

西穂独標(第11峰)から先、第10峰〜第2峰までの大小の岩峰(ピーク)をアップダウンしながら越え、主峰・西穂高岳(標高2,909m)を往復する上級者向け岩稜コースです。

  • グレーディング:体力度 3 / 技術的難易度 D(岐阜県)
  • 参考コースタイム:西穂高口駅発着 往復 7.8時間(約7時間48分、ルート長 7.7km)
    • 西穂山荘 →(約3時間10分)→ 西穂高岳山頂(北アルプス山小屋友交会案内より)
  • コースの特徴:
    • 西穂独標の下りから主峰・西穂高岳までの間は、両側が切れ落ちたナイフリッジやガレ場、鎖場、急峻な岩壁の登下降が連続します。
    • 特に第8峰のピラミッドピーク周辺や第4峰のチャンピオンピーク、主峰直下の岩場は足場が不安定な箇所が多く、岐阜県グレーディングでも「ピラミッドピーク周辺転・滑落注意」と警告されています。経験や天候に不安がある場合は、独標または丸山で引き返す判断が重要です。

3. 上高地〜西穂山荘〜西穂高岳コース/焼岳縦走コース

上高地(田代橋付近の西穂高岳登山口)から西穂山荘へ登り上げて西穂高岳を目指すコース、および西穂山荘から割谷山・焼岳小屋を経て焼岳・中尾登山口へ縦走するコースです。

  • 上高地〜西穂高岳 往復(長野県グレーディング):
    • 体力度 5 / 技術的難易度 D(コースタイム 12.0時間、ルート長 12.8km)
    • 上高地 →(約3時間)→ 西穂山荘 →(約3時間10分)→ 西穂高岳(北アルプス山小屋友交会案内より)
  • 西穂高岳→焼岳(新穂高ロープウェイ〜西穂高岳〜西穂山荘〜焼岳〜中尾登山口)(岐阜県グレーディング):
    • 体力度 5 / 技術的難易度 D(コースタイム 13.2時間、ルート長 17.2km)

4. 【最難関】西穂高岳〜ジャンダルム〜奥穂高岳〜穂高岳山荘 縦走コース

西穂高岳主峰からさらに北東へ、赤岩岳・間ノ岳・天狗の頭・天狗のコル・ジャンダルム・ロバの耳・馬ノ背を経て奥穂高岳(3,190m)および穂高岳山荘(白出のコル)へと抜けるコースです。

  • 参考コースタイム(穂高岳山荘 公式ルート案内より):
    • 西穂山荘 → 西穂高岳 → ジャンダルム → 奥穂高岳 → 穂高岳山荘:往路 約8時間40分 / 復路 約8時間10分
  • コースの特徴:
    • 穂高岳山荘の公式案内では**「国内で最も難易度の高い一般登山道。滑落事故が頻発しており、十分な経験と体力が必要。悪天候時は通行を控えてください」**と警告されています。浮石の多いルンゼや逆層の岩壁、ナイフエッジが連続し、エスケープルートは一切ありません。

アクセス・新穂高ロープウェイ情報

新穂高ロープウェイの運行・運賃(2026年)

新穂高ロープウェイは「第1ロープウェイ(新穂高温泉駅〜鍋平高原駅)」と、日本唯一の2階建てゴンドラである「第2ロープウェイ(しらかば平駅〜西穂高口駅)」を乗り継いで運行されています(新穂高ロープウェイ公式サイトより)。

  • 営業日・発車時刻:
    • 通年営業(※天候不良や定期点検・メンテナンスによる運休あり)
    • 第1ロープウェイ:毎時00分・30分発
    • 第2ロープウェイ:毎時15分・45分発(混雑時は臨時便あり)
  • 普通運賃(税込):
    • 第1・第2ロープウェイ連絡(新穂高温泉駅〜西穂高口駅):往復 大人 3,800円・小人(小学生)1,900円 / 片道 大人 2,400円・小人 1,200円
    • 第2ロープウェイのみ(しらかば平駅〜西穂高口駅):往復 大人 3,700円・小人 1,850円 / 片道 大人 2,300円・小人 1,150円
    • 荷物券:重量6kgを超える荷物は別途荷物券が必要(第1・第2連絡 往復1,000円・片道500円、第2のみ 往復600円・片道300円)。※上りは発券当日、下りは発券当日を含め3日間有効。先端がカバーされていないピッケル等は持ち込み不可(カバー装着必須、施設内ではアイゼンを外すこと)。

【重要】2026年(令和8年)新穂高ロープウェイ メンテナンス運休情報

岐阜県北アルプス山岳遭難対策協議会の公式発表によると、2026年は以下の日程でメンテナンスのため第1・第2ロープウェイともに全面運休となります。

  • 2026年6月15日(月)〜6月26日(金):第1・第2ロープウェイともに休止
  • 2026年11月24日(火)〜11月27日(金):第1・第2ロープウェイともに休止

登山者用駐車場(新穂高温泉・鍋平高原)

新穂高ロープウェイ公式サイト「登山でご利用の方へ」「アクセス・駐車場」によると、登山者が利用できる駐車場は以下の通りです。

  • 新穂高第2駐車場(登山者用):約85台、乗用車 2,000円/1日
  • 予約制 鍋平登山者専用駐車場(第2ロープウェイ最寄り):約80台、乗用車 1,000円/12時間(2,000円/24時間、以降24時間ごとに2,000円加算、事前決済制。※降雪期11月上旬〜4月下旬は営業中止)
  • ※一般観光客向けの「新穂高温泉駐車場(約160台・800円/6時間)」「鍋平高原駐車場(約550台・800円/6時間)」と区分されているため、登山利用時は登山者専用駐車場の案内に従ってください。

公共交通機関(高山・松本・新宿方面から)

  • JR高山駅から:高山濃飛バスセンターから濃飛バス(平湯・新穂高線)で終点「新穂高ロープウェイ」バス停下車。
  • 松本・上高地方面から:特急バスまたはシャトルバスで「平湯温泉(平湯バスターミナル)」へ出て、濃飛バス新穂高線に乗り換え。

山小屋・テント場情報

西穂山荘(標高約2,385m)

西穂高岳南西尾根の始まりに建つ通年営業の山小屋です(北アルプス山小屋友交会「西穂山荘」公式ページおよび岐阜県北アルプス山岳遭難対策協議会「山小屋開設情報」より)。

  • 営業期間:通年営業(年中無休)
  • 収容人数:約300名
  • 予約要否:宿泊は要予約
  • 宿泊料金(北アルプス山小屋友交会掲載の目安・税込):
    • 1泊2食付:14,000円〜
    • 素泊まり:9,500円〜
    • 弁当:1,200円
  • テント場(キャンプ指定地):約50張(幕営料:夏期1人1泊 2,000円)

西穂高岳の見どころ

  • 西穂丸山・西穂独標からの360度展望: 森林限界を越えた西穂丸山や西穂独標の頂上からは、南に活火山の焼岳と乗鞍岳、西にピラミッド型の笠ヶ岳と白山、東に上高地の梓川と霞沢岳・常念山脈、そして北東に西穂高岳〜ジャンダルム〜奥穂高岳〜前穂高岳の荒々しい岩峰群を一望できます。
  • 11のピークを連ねる岩稜美: 独標(第11峰)からピラミッドピーク(第8峰)、チャンピオンピーク(第4峰)、そして主峰・西穂高岳へと続く鋸歯状の岩稜は、穂高連峰ならではの迫力ある山岳景観を形成しています。
  • 日本唯一の2階建てゴンドラと雲上の空中散歩: 新穂高ロープウェイの第2ロープウェイは2階建てゴンドラを採用しており、標高2,156mの西穂高口駅屋上展望台からも槍・穂高連峰や笠ヶ岳の雄大な展望を楽しめます。

注意点・安全登山のために

  1. 登山ポストの移設(西穂高口駅 → しらかば平駅)と登山届の提出義務 岐阜県では「岐阜県北アルプス地区及び活火山地区における山岳遭難の防止に関する条例」により登山届の提出が義務付けられています(罰則規定あり)。岐阜県北アルプス山岳遭難対策協議会の公式案内によると、これまで新穂高ロープウェイ「西穂高口駅」構内にあった登山ポストは駅舎工事に伴い2025年4月24日より「しらかば平駅」構内へ移設されており、しらかば平駅が最終ポストとなります。事前にオンライン(コンパス等)で提出するか、しらかば平駅で必ず提出してください。
  2. 独標手前のクサリ場・ピラミッドピーク周辺の転滑落対策 西穂独標直下の岩場や、独標から西穂高岳山頂までの岩稜帯では転落・滑落事故が多発しています。ヘルメットと岩場用グローブを着用し、強風・雨天・視界不良時や体力・技術に不安がある場合は、無理に先へ進まず西穂丸山または独標で引き返してください。
  3. 落雷と気象急変への警戒 西穂高岳の稜線は森林限界上の露出した岩場が長く続き、雷を遮るものがありません。夏場の午後は積乱雲(雷雲)が発達しやすいため、早朝に出発して昼前には下山を開始する計画を徹底してください。また、ロープウェイ利用時は最終便の時刻を必ず事前に確認してください。
  4. 積雪期・残雪期の高度な雪山装備 新穂高ロープウェイと西穂山荘が通年営業しているため冬期や春山シーズンにも登山者が入りますが、積雪期の西穂高岳(特に独標〜山頂間)は氷化した急斜面とナイフエッジが続く厳冬期バリエーション級の雪山ルートとなります。12本爪アイゼン・ピッケル・冬山防寒具・ビーコン等の完全な雪山装備と高度な技術がない場合は絶対に立ち入らないでください。

参考リンク

おすすめ情報を読み込み中...

執筆・確認

山日記編集部

実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。

このブログについて / 運営方針 / 誤りの連絡