
alpsdake, Wikimedia Commons(CC0)/焼岳から望む霞沢岳と上高地
霞沢岳 登山ガイド|上高地・徳本峠コースのグレーディングとK1・K2ピーク・穂高連峰の展望【2026年】
上高地の南東にそびえる日本二百名山・霞沢岳(かすみさわだけ・標高2,645.6m)の登山ガイド。長野県山のグレーディングに基づく上高地〜徳本峠〜霞沢岳往復コース(5C・往復13.1時間・23.1km・累積標高差1,810m)の解説、ジャンクションピーク・K1・K2ピークの岩場と穂高連峰の大展望、徳本峠の宿泊・アクセス情報を整理します。
目次
霞沢岳の概要
霞沢岳(かすみさわだけ・標高2,645.6m、長野県グレーディング表では2,645m)は、長野県松本市の上高地南東に位置する中部山岳国立公園(北アルプス・常念山脈南端の支脈)の山で、「日本二百名山」に選定されています。梓川と上高地の谷を挟んで穂高連峰の真正面に対峙しており、前衛のK1ピーク・K2ピークおよび霞沢岳山頂からは、奥穂高岳・前穂高岳・明神岳・西穂高岳の険しい岩壁と岳沢、さらに西側の焼岳・乗鞍岳を一望できる屈指の展望峰として知られています。
現在、一般登山道は上高地から明神・徳本峠(とくごうとうげ・標高2,135m)を経て稜線を往復するルートのみとなっており、上高地からの往復距離は23.1km、合計コースタイムは13.1時間(約13時間6分)、累積標高差は1,810mに達するため、徳本峠(徳本峠小屋またはテント場)で1泊2日以上の日程を組むのが基本です。
ルート解説(長野県山のグレーディング 2026年版)
「長野県山のグレーディング(2026年版)」に掲載されている霞沢岳(上高地)ルートの公式データは以下の通りです。
| ルート名 | 体力度 | 技術的難易度 | 合計コースタイム | ルート長 | 累積登り / 下り |
|---|---|---|---|---|---|
| 霞沢岳(上高地)(徳本峠経由往復) | 5 | C | 13.1時間(約13時間6分) | 23.1km | 1,810m / 1,810m |
※体力度5は「1泊以上が適当」、技術的難易度Cは「ハシゴ・くさり場、また場所により雪渓や渡渉箇所があり、ミスをすると転落・滑落などの事故になる場所がある。地図読み能力、ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力が必要」なランクです。
1. 上高地 〜 明神 〜 徳本峠 〜 ジャンクションピーク 〜 K1・K2ピーク 〜 霞沢岳 往復コース
上高地バスターミナル(標高1,504m)から梓川左岸の平坦な遊歩道を明神まで歩き、徳本峠分岐から白沢出合を経てつづら折りの山道を登り上げて歴史ある峠・徳本峠(標高2,135m)へ至ります。徳本峠からは針葉樹林の尾根を登ってジャンクションピーク(標高2,428m)へ出た後、一旦約100m下り、複数のアップダウンと木の根・ハシゴ・岩場を越えて森林限界上のK1ピーク・K2ピーク、そして三角点のある**霞沢岳山頂(標高2,645.6m)**を往復します。
コースデータ(長野県山のグレーディング 2026年版)
- 体力度 / 技術的難易度: 体力度 5 / 難易度 C
- 合計コースタイム: 13.1時間(約13時間6分)
- ルート長: 23.1km
- 累積標高差: 登り 1,810m / 下り 1,810m
- 主な経由地: 上高地バスターミナル(標高1,504m) ⇄ 明神 ⇄ 白沢出合 ⇄ 徳本峠(標高2,135m・徳本峠小屋) ⇄ ジャンクションピーク(2,428m) ⇄ 池ノ平(水場なし) ⇄ K1ピーク ⇄ K2ピーク ⇄ 霞沢岳山頂(2,645.6m)
行程配分のポイント
- 徳本峠 〜 霞沢岳山頂間: 徳本峠と山頂の単純標高差は約510mですが、ジャンクションピークからの急な下りとK1ピークへの急登など小刻みなアップダウンが連続するため、徳本峠〜山頂の往復だけでも約6時間〜7時間を要します。
- 1泊2日プラン: 1日目に上高地から徳本峠へ登って宿泊し、2日目の早朝に徳本峠を出発して霞沢岳を往復したのち上高地へ下山する(または2泊3日で余裕をもたせる)計画が推奨されます。
アクセスと山小屋・登山口情報
1. 上高地バスターミナルへのアクセス
- 通年マイカー規制: 上高地はマイカー規制が実施されているため、自家用車は松本側の**「沢渡(さわんど)駐車場」または高山側の「平湯(あかんだな)駐車場」**に停め、シャトルバスまたはタクシーに乗り換えて上高地バスターミナルへ入ります。
- 公共交通機関: JR篠ノ井線「松本駅」からアルピコ交通上高地線(松本電鉄)で「新島々駅」へ行き、路線バスに乗り換えて「上高地バスターミナル」下車(または新宿・大阪・名古屋方面からの直行バス利用)。
- 登山計画書の提出: 上高地バスターミナルの登山相談所・登山ポスト(またはコンパス等のオンライン届出)にて必ず登山計画書(登山届)を提出してください。なお、島々宿から島々谷川沿いに徳本峠へ至るクラシックルートは長距離かつ崩壊・渡渉箇所が多いため、一般登山では上高地発着ルートを利用してください。
2. 徳本峠小屋(とくごうとうげごや)
- 釜トンネルが開通する以前、ウェストンや芥川龍之介らも越えた上高地への歴史的玄関口・徳本峠(標高2,135m)に建つ山小屋です。国の登録有形文化財である本館(旧館)と新館、テント場があります。営業期間や宿泊予約については、出発前に公式ホームページで最新情報を確認してください。なお、徳本峠から霞沢岳山頂までの稜線上に営業山小屋・水場・トイレはありません。
見どころ
1. K1ピーク・霞沢岳山頂から真正面に仰ぐ穂高連峰の大岩壁
森林限界を抜けたK1ピークから霞沢岳山頂にかけての稜線からは、梓川を隔てたすぐ対岸に前穂高岳・明神岳・奥穂高岳・西穂高岳の屏風のような大パノラマが立ち上がり、眼下には上高地の大正池や河童橋周辺を見下ろすことができます。
2. 近代登山の歴史を伝える徳本峠
明治期にウォルター・ウェストンが案内人・上條嘉門次らとともに上高地へ入った峠道であり、峠の展望台からは明神岳と前穂高岳の東壁・奥又白谷を間近に望むことができます。
注意点と安全登山のポイント
1. ジャンクションピーク〜K1ピーク間のアップダウンと帰路の登り返し
徳本峠からジャンクションピークまで登った後、鞍部へ大きく下ってからK1ピークへ急登し、帰路は再びジャンクションピークへの登り返しが待っています。木の根や濡れた岩場、ハシゴで足を滑らせないよう注意し、十分な水分と行動食を携行してください。
2. K1ピーク〜山頂間の岩稜・ハイマツ帯での滑落注意
K1ピークからK2ピーク・霞沢岳山頂にかけては北側(上高地側)が切れ落ちたガレ場・岩場・ハイマツ帯を通過します。強風時やガス発生時は足元とルートマーキングを慎重に確認し、上高地の最終バス時刻に遅れないよう早出早着を徹底してください。
参考リンク
執筆・確認
山日記編集部
実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。
