
alpsdake, Wikimedia Commons(Public domain)/南岳から望む聖岳
聖岳 登山ガイド|聖沢コース・茶臼岳縦走・便ヶ島(聖光小屋)コースのグレーディングと聖平小屋・通行止め情報【2026年】
日本最南端の3,000m峰で日本百名山に選定されている聖岳(前聖岳3,013m・奥聖岳2,978m)の登山ガイド。静岡県・長野県の山岳グレーディングに基づく聖沢往復、茶臼岳縦走コースのデータ、聖平小屋・聖光小屋の2026年営業情報、便ヶ島〜西沢渡間の通行止め情報を整理します。
目次
- 聖岳の概要
- 【重要】長野県側「便ヶ島〜西沢渡間」の通行止め情報(2026年)
- ルート解説(日本百名山・静岡県・長野県グレーディング)
- 1. 聖沢登山口 ⇄ 聖平小屋 ⇄ 聖岳 往復コース(静岡県側)
- 2. 聖沢 〜 聖岳 〜 上河内岳 〜 茶臼岳 〜 畑薙大吊橋 縦走コース
- 3. 聖光小屋(便ヶ島)⇄ 西沢渡 ⇄ 小聖岳 ⇄ 聖岳 往復コース(※現在通行止め)
- 山小屋・テント場情報(2026年シーズン公式案内)
- 1. 聖平小屋(標高2,260m・聖岳南側鞍部)
- 2. 聖光小屋(標高970m・便ヶ島森林公園)
- アクセス情報
- 1. 静岡県側(畑薙第一ダム・聖沢登山口)
- 2. 長野県側(飯田市遠山郷・芝沢ゲート)
- 見どころと安全登山のポイント
- 1. 日本最南端の3,000m峰からの富士山・赤石岳・兎岳の大展望
- 2. 小聖岳〜前聖岳のガレ場と午後の強風・濃霧対策
- 参考リンク
聖岳の概要
聖岳(ひじりだけ・標高3,013m)は、静岡県静岡市葵区と長野県飯田市(旧南信濃村・上村)の県境に位置する南アルプス(赤石山脈)南部の高峰で、「日本百名山」に選定されています。最高点の前聖岳(標高3,013m)と、その東側に連なる奥聖岳(標高2,978m)、西側の小聖岳(標高2,662m)からなり、日本の3,000m峰(全21座)の中で最も南に位置する3,000m峰です。
遠山郷観光協会の公式解説によると、山名は静岡県側を流れる「聖沢(ひじりさわ)」に由来し、「ヒジリ」とは「崩れる」「削れる」を意味する方言からきているとされています。アプローチが長く標高差も大きいため、すべての主要ルートが山岳グレーディングで体力度6〜10・技術的難易度C〜Dに区分される上級者向けの山です。
【重要】長野県側「便ヶ島〜西沢渡間」の通行止め情報(2026年)
遠山郷観光協会の公式登山情報および交通情報(2026年10月14日現在)によると、長野県飯田市(遠山郷)側の聖岳登山口である**「便ヶ島(たよりがしま)〜西沢渡(にしさわど)間(聖岳方面)」は、災害復旧工事のため当分の間、徒歩通行ができません(通行止め)**。
このため、便ヶ島(聖光小屋)から西沢渡を経て西聖岳(小聖岳)・前聖岳へ直接登るルートは現在通行不可となっています。長野県側(芝沢ゲート・易老渡)から聖岳を目指す場合は、易老渡から易老岳・茶臼岳・上河内岳・聖平を経由する縦走ルートをとるか、静岡県側(聖沢登山口・畑薙大吊橋・椹島方面)からのルートを選択する必要があります。
ルート解説(日本百名山・静岡県・長野県グレーディング)
「日本百名山における登山ルート・グレーディング一覧表」(静岡県・長野県)および「長野県山のグレーディング(2026年版)」に掲載されている聖岳の主要4ルートの数値は以下の通りです。
| ルート名 | 体力度 | 技術的難易度 | 合計コースタイム | ルート長 | 累積登り / 下り |
|---|---|---|---|---|---|
| 聖岳(聖沢)往復 | 7 | C | 15.6時間(約15時間36分) | 20.8km | 2,640m / 2,640m |
| 【縦】聖岳・茶臼岳(聖沢・畑薙大吊橋) | 8 | C | 19.9時間(約19時間54分) | 25.6km | 3,200m / 3,380m |
| 【縦】赤石岳→聖岳(椹島・聖沢) | 9 | D | 22.9時間(約22時間54分) | 28.2km | 3,780m / 3,760m |
| 聖岳(聖光小屋)往復 ※現在通行止め | 6 | C | 12.9時間(約12時間54分) | 18.3km | 2,370m / 2,370m |
※体力度6〜7は「1〜2泊以上が適当」、体力度8〜9は「2〜3泊以上が適当」な行程です。技術的難易度Cは「ハシゴ・くさり場、または一面の岩場や長大な雪渓などを通過し、確実な登下降技術が必要」、難易度Dは「厳しい岩稜や不安定なガレ場、ハシゴ・くさり場、または長大な雪渓が連続し、高度な登下降技術が必要」なランクです。
1. 聖沢登山口 ⇄ 聖平小屋 ⇄ 聖岳 往復コース(静岡県側)
静岡県側の東俣林道沿いにある聖沢登山口(標高1,140m)から聖沢吊橋を渡り、造林小屋跡・乗越を経て聖沢沿いのトラバース道を進み、聖平小屋(標高2,260m)へ至るルートです。聖平小屋に宿泊し、翌朝に薊畑(あざみばた)・小聖岳を経て急峻な砂礫・ガレ場の尾根を登り上げ、前聖岳(標高3,013m)・奥聖岳を往復します。
コースデータ(日本百名山グレーディング一覧表・静岡県)
- 体力度 / 技術的難易度: 体力度 7 / 難易度 C
- 合計コースタイム: 15.6時間(約15時間36分)
- ルート長: 20.8km
- 累積標高差: 登り 2,640m / 下り 2,640m
- 主な経由地: 聖沢登山口(標高1,140m) ⇄ 聖沢吊橋 ⇄ 乗越 ⇄ 聖平小屋(2,260m) ⇄ 薊畑 ⇄ 小聖岳 ⇄ 前聖岳(3,013m)
2. 聖沢 〜 聖岳 〜 上河内岳 〜 茶臼岳 〜 畑薙大吊橋 縦走コース
聖沢登山口(標高1,140m)から聖平小屋・前聖岳へ登った後、聖平から南へ続く稜線を縦走し、南岳・奇岩が並ぶ上河内岳(標高2,803m)・亀甲状土が見られる茶臼岳(標高2,604m)・茶臼小屋を経て、畑薙大吊橋(標高960m)へ下山する(または畑薙大吊橋から登り聖沢へ下る)縦走コースです。聖平小屋と茶臼小屋を繋ぐ2泊3日の計画が一般的です。
コースデータ(日本百名山グレーディング一覧表・静岡県)
- 体力度 / 技術的難易度: 体力度 8 / 難易度 C
- 合計コースタイム: 19.9時間(約19時間54分)
- ルート長: 25.6km
- 累積標高差: 登り 3,200m / 下り 3,380m
3. 聖光小屋(便ヶ島)⇄ 西沢渡 ⇄ 小聖岳 ⇄ 聖岳 往復コース(※現在通行止め)
長野県飯田市側の便ヶ島・聖光小屋(標高970m)から遠山川(西沢渡)を渡渉し、苔むした針葉樹林の急尾根から小聖岳・薊畑を経て前聖岳へ登る最短コース(体力度6・難易度C、12.9時間・18.3km)ですが、前述の通り**「便ヶ島〜西沢渡間」が災害復旧工事のため当分の間、徒歩通行不可(通行止め)**となっています。復旧状況については入山前に遠山郷観光協会または飯田市の公式情報を確認してください。
山小屋・テント場情報(2026年シーズン公式案内)
1. 聖平小屋(標高2,260m・聖岳南側鞍部)
聖平小屋公式サイトおよび遠山郷観光協会の2026年案内によると、営業内容は以下の通りです。
- 2026年営業期間: 2026年7月11日(土)~9月23日(水)(※9月22日宿泊分まで)
- 小屋泊(事前予約制): 素泊まり 10,000円/人(シュラフ込)、寝具持込の場合 9,000円/人(※食事の提供はなし。小屋入口売店でアルファ米・お菓子・飲料等の販売およびお湯500ml/200円の販売あり。ヘリ荷揚げ遅延やシーズン終盤は完売する場合があるため、自身の食料も必ず持参すること)
- テント泊(予約不要): 2,000円/人
- 水場・トイレ・通信: 水場は小屋前とテント場の2箇所にあり。トイレは小屋から徒歩約1分の別棟。小屋内は携帯電話圏外ですが、小屋から約150mの聖岳・上河内岳分岐付近でdocomoが通じます(auも天候により通じる場合あり)。
2. 聖光小屋(標高970m・便ヶ島森林公園)
聖光小屋公式サイトによると、2026年の営業内容は以下の通りです。
- 2026年営業期間: 2026年4月24日~10月12日(遠山郷観光協会一覧ページでは4月26日~10月12日表記。予約がない日は管理人不在の場合あり)
- 小屋泊(予約制・収容18人): 1泊2食 12,000円、素泊まり 9,000円(長野県宿泊税込、当日現金払い。できる限り1週間前までに電話予約)
- テント泊(予約不要): 隣接の森林公園を利用、1人1泊 1,000円(炊事場・水洗トイレあり)
- アクセス: 芝沢ゲート一般車駐車場(50台・駐車場維持管理協力金1,000円)から徒歩約2時間。便ヶ島森林公園付近は携帯電話圏外ですが、公衆衛星電話が設置されています。
アクセス情報
1. 静岡県側(畑薙第一ダム・聖沢登山口)
聖平小屋公式サイトのアクセス案内によると、静岡駅前から畑薙第一ダムまでは夏山期の登山バス(毎日あるぺん号等)またはタクシー(静岡駅〜畑薙第一ダム:小型約20,000円・ジャンボ約29,000円)でアクセスします。畑薙第一ダムから聖沢登山口・椹島方面の東俣林道は一般車両通行禁止のため、送迎バス等の運行条件を事前に確認してください。
2. 長野県側(飯田市遠山郷・芝沢ゲート)
遠山郷観光協会の公式案内によると、マイカーは「芝沢ゲート駐車場」(50台・協力金1,000円程度、道の駅遠山郷から車で約50〜60分)まで通年通行可能です。2026年7月1日(水)〜11月8日(日)の期間は、道の駅遠山郷〜易老渡駐車場間で事前予約制のタクシー送迎サービス(料金目安15,000〜20,000円/台、乗車約1時間20分)が運行されます。
見どころと安全登山のポイント
1. 日本最南端の3,000m峰からの富士山・赤石岳・兎岳の大展望
標高3,013mの前聖岳山頂および東へ続く奥聖岳からは、東に大きく裾野を広げる富士山、北に兎岳・中盛丸山・大沢岳・赤石岳・悪沢岳の南アルプス主脈、南に上河内岳・茶臼岳・光岳の深南部稜線を一望できます。
2. 小聖岳〜前聖岳のガレ場と午後の強風・濃霧対策
小聖岳から前聖岳への登りは遮るもののないザレ場・ガレ場の急登が続き、森林限界上では強風が吹き抜けます。防風・防寒装備を整え、早朝に聖平小屋を出発して午前中に山頂を往復する計画を立ててください。
参考リンク
執筆・確認
山日記編集部
実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。
