
alpsdake, Wikimedia Commons(Public domain)/千枚岳から望む赤石岳
赤石岳 登山ガイド|椹島からの大倉尾根往復・荒川三山周回・聖岳縦走コースのグレーディングとアクセス情報【2026年】
南アルプス(赤石山脈)の名前の由来となった日本百名山・赤石岳(標高3,121m)の登山ガイド。静岡県・長野県の山岳グレーディングに基づく椹島からの大倉尾根往復、荒川三山〜赤石岳周回、聖岳〜赤石岳縦走コースのデータと、山名の由来・アクセス情報を整理します。
目次
赤石岳の概要
赤石岳(あかいしだけ・標高3,121m、長野県グレーディングおよび遠山郷観光協会表記では3,120m)は、静岡県静岡市葵区と長野県下伊那郡大鹿村・飯田市の境付近に位置する南アルプス(赤石山脈)南部の主峰で、「日本百名山」に選定されています。
遠山郷観光協会の公式解説によると、「赤石岳」の名は赤紅色のチャート(ラジオラリア板岩)に由来し、山地から流出した赤い板岩によって渓流に「赤石沢」の名がつき、その源流の山として赤石岳と名付けられたとされています。登山口は静岡県側の大井川上流・椹島(さわらじま・標高1,120m)が基本となり、単独往復でもコースタイム14.8時間(体力度6・技術的難易度D)、北の荒川三山(悪沢岳)や南の聖岳と結ぶ周回・縦走では2泊3日〜3泊4日を要する本格的な山岳エリアです。
ルート解説(日本百名山・静岡県・長野県グレーディング)
「日本百名山における登山ルート・グレーディング一覧表」(静岡県・長野県)および「長野県山のグレーディング(2026年版)」に掲載されている赤石岳の主要4ルートの数値は以下の通りです。
| ルート名 | 体力度 | 技術的難易度 | 合計コースタイム | ルート長 | 累積登り / 下り |
|---|---|---|---|---|---|
| 赤石岳(椹島)往復 | 6 | D | 14.8時間(約14時間48分) | 16.9km | 2,550m / 2,550m |
| 【周】千枚岳→荒川岳→赤石岳(椹島) | 8 | D | 19.8時間(約19時間48分) | 27.4km | 3,290m / 3,290m |
| 【縦】赤石岳→聖岳(椹島・聖沢) | 9 | D | 22.9時間(約22時間54分) | 28.2km | 3,780m / 3,760m |
| 【縦】聖岳→赤石岳(聖光小屋・椹島)<兎岳・大沢岳・小赤石岳往復> | 10 | D | 24.2時間(約24時間12分) | 29.8km | 4,170m / 4,020m |
※体力度6は「1〜2泊以上が適当」、体力度8〜10は「2〜3泊以上が適当」な行程です。技術的難易度Dは「厳しい岩稜や不安定なガレ場、ハシゴ・くさり場、または長大な雪渓が連続し、高度な登下降技術が必要」なランクです。 ※なお、遠山郷観光協会の2026年交通情報により、長野県飯田市側の「便ヶ島(聖光小屋)〜西沢渡間(聖岳方面)」は災害復旧工事のため当分の間、徒歩通行不可(通行止め)となっています。
1. 椹島(大倉尾根・赤石小屋経由)往復コース
椹島ロッジ(標高1,120m)から大倉尾根の急登を登り、赤石小屋(標高2,530m付近)、富士見平、炮烙(ほうろく)平を経て、小赤石岳の肩から赤石岳山頂(標高3,121m)を往復する最短ルートです。標高差約2,000mを一気に登り上げるため、赤石小屋(または山頂直下の赤石岳避難小屋)で1泊する1泊2日〜2泊3日の行程となります。
コースデータ(日本百名山グレーディング一覧表・静岡県)
- 体力度 / 技術的難易度: 体力度 6 / 難易度 D
- 合計コースタイム: 14.8時間(約14時間48分)
- ルート長: 16.9km
- 累積標高差: 登り 2,550m / 下り 2,550m
- 主な経由地: 椹島ロッジ(標高1,120m) ⇄ 大倉尾根 ⇄ 赤石小屋 ⇄ 富士見平 ⇄ 炮烙平 ⇄ 赤石岳山頂(標高3,121m)
2. 椹島 〜 千枚岳 〜 荒川三山(悪沢岳)〜 赤石岳 周回コース
椹島ロッジから千枚岳(標高2,880m)・悪沢岳(荒川東岳・標高3,141m)・荒川中岳・前岳・荒川小屋・大聖寺平・小赤石岳を経て赤石岳へ登り、大倉尾根(赤石小屋経由)で椹島ロッジへ下山する(または逆回りで歩く)南アルプス南部の代表的な周回コースです。3,000m超の峰々を効率よく繋ぐことができる一方、累積標高差は3,290mに達するため、千枚小屋・荒川小屋・赤石小屋などを利用した2泊3日〜3泊4日の計画が必要です。
コースデータ(日本百名山グレーディング一覧表・静岡県)
- 体力度 / 技術的難易度: 体力度 8 / 難易度 D
- 合計コースタイム: 19.8時間(約19時間48分)
- ルート長: 27.4km
- 累積標高差: 登り 3,290m / 下り 3,290m
3. 赤石岳 〜 百間洞 〜 兎岳 〜 聖岳(椹島・聖沢)縦走コース
椹島ロッジ(標高1,120m)から赤石岳へ登り、南へ伸びる長大な主稜線(百間平・百間洞山の家・中盛丸山・小兎岳・兎岳・聖岳)を縦走して聖平小屋から聖沢登山口(標高1,140m)へ下山する縦走コースです。百間平の広大な台地状稜線や兎岳〜聖岳間の痩せ尾根・ガレ場など変化に富んだ稜線が続き、体力度9・難易度D(合計22.9時間・累積登り3,780m)の上級者向け縦走路となっています。
アクセスと登山口情報
1. 静岡県側(椹島ロッジ・聖沢登山口)
椹島ロッジ(標高1,120m)および聖沢登山口(標高1,140m)へ通じる東俣林道(畑薙第一ダムより奥)は、一般車両の通行が禁止(マイカー規制)されています。夏山シーズンには畑薙第一ダム手前の臨時駐車場から山小屋宿泊者向けの送迎バス等が運行されますが、林道の通行規制やバス運行期間・予約条件については、入山前に静岡市・静岡県および山小屋運営会社の公式案内を必ず確認してください。
2. 長野県側(飯田市遠山郷・大鹿村)
- 遠山郷側(便ヶ島・聖光小屋方面の通行規制): 遠山郷観光協会の2026年交通情報によると、芝沢ゲート駐車場(50台・協力金1,000円程度)から易老渡・便ヶ島までは徒歩通行が可能ですが、その先の**「便ヶ島〜西沢渡間(聖岳方面)」は災害復旧工事のため当分の間、徒歩通行不可(通行止め)**となっています。
- 大鹿村側(鳥倉登山口): 三伏峠から小河内岳・荒川三山を経由して赤石岳へ縦走する場合は、大鹿村の越路ゲート(無料駐車場)または夏山期の南アルプス登山バス(鳥倉線)を利用します。
山小屋・避難小屋情報
赤石岳周辺の主な山小屋・避難小屋は以下の通りです。各施設の2026年シーズンの営業期間・予約方法・料金については、入山前に公式案内で確認してください。
- 赤石小屋: 大倉尾根の樹林帯上部(標高2,530m付近)に建つ山小屋(テント場あり)。
- 赤石岳避難小屋: 赤石岳山頂直下南側に建つ避難小屋(テント場なし)。
- 百間洞山の家: 赤石岳と大沢岳・中盛丸山の鞍部(百間洞)に建つ山小屋(テント場あり)。
- 荒川小屋・千枚小屋: 荒川三山周回ルート上の拠点となる山小屋(ともにテント場あり)。
- 聖平小屋: 聖岳南側の鞍部(標高2,260m)に建つ山小屋。聖平小屋公式案内によると、2026年シーズンは7月11日(土)〜9月23日(水)(※9月22日宿泊分まで)営業、小屋泊は素泊まり10,000円/人(事前予約制・食事提供なし)、テント泊は2,000円/人(予約不要)です。
見どころ
1. 標高3,121mの広い山頂と一等三角点
赤石岳の山頂は花崗岩や赤色チャートが広がる広々としたピークで、一等三角点「赤石岳」が設置されています。北側には小赤石岳から荒川三山(悪沢岳・中岳・前岳)へと続く雄大な稜線、東側には富士山、南側には広大な百間平の先にそびえる兎岳・聖岳、西側には中央アルプスや御嶽山まで360度の大展望が得られます。
2. 赤石沢源流のカール地形と百間平
赤石岳東面には氷河期に形成された圏谷(赤石沢カール)があり、富士見平や炮烙平からは赤石岳の巨大な山体を見上げることができます。また、赤石岳から南へ下った「百間平」は、南アルプス特有のなだらかな二重山稜とハイマツ帯が広がる展望台です。
注意点と安全登山のポイント
1. 大倉尾根の急登と長大な行動時間
椹島ロッジから赤石小屋・赤石岳へ登る大倉尾根は標高差約2,000mの長い登りが続き、下山時も膝や足首への負担が大きいルートです。また、標高3,000mを超える稜線は風雨が強く気温が急降下するため、防寒着・レインウェア・ヘッドランプを必ず携行し、早出早着を徹底してください。
2. 登山計画書の提出
静岡県側・長野県側のいずれから入山する場合も、事前に登山計画書(登山届)を提出してください。遠山郷観光協会の案内によると、長野県側から荒川岳・塩見岳・赤石岳方面へ入山する場合の管轄は飯田警察署(またはオンライン提出)となります。
参考リンク
執筆・確認
山日記編集部
実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。
