
Alpsdake, Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)/麦草岳から望む将棊頭山
将棊頭山 登山ガイド|桂小場クラシックルート・権現づるねのグレーディングと西駒山荘・聖職の碑【2026年】
中央アルプス北部の主要峰・将棊頭山(標高2,730m)の登山ガイド。伊那市側の桂小場登山口から大樽避難小屋・胸突八丁を経て西駒山荘(大正4年築の石室)・聖職の碑・木曽駒ヶ岳へ至るクラシックルートの公式グレーディング、権現づるね登山道、アクセス・駐車場情報を整理します。
目次
将棊頭山の概要
将棊頭山(しょうぎかしらやま)は、長野県伊那市・木曽郡木曽町・上伊那郡宮田村の境に位置する標高2,730mの山です。中央アルプス(木曽山脈)最高峰の木曽駒ヶ岳(標高2,956m)から北東へ伸びる主稜線上にそびえ、山容が将棋の駒の頭に似ていることが山名の由来とされています(国土地理院の地形図では「将棊頭山」、長野県グレーディング表等では「将棋頭山」とも表記されます)。
伊那市側の桂小場(かつらこば)登山口から大樽避難小屋・胸突八丁を経て将棊頭山・木曽駒ヶ岳へ登る道は、ロープウェイ開通以前から歩かれてきた中央アルプスの代表的なクラシックルートです。また、1913年(大正2年)8月に発生した中箕輪尋常高等小学校の集団遭難事故(新田次郎の小説『聖職の碑』の題材)の現場でもあり、山頂直下の西駒山荘付近には遭難記念碑(聖職の碑)と、事故を契機に1915年(大正4年)に建設された登録有形文化財の石室が残されています。
長野県山岳グレーディングとコース詳細
長野県山岳グレーディング一覧表(2026年版)および伊那市公式サイトに掲載されている桂小場・将棊頭山関連の公式グレーディング数値は以下の通りです。
| ルート名称 | 体力度 | 技術的難易度 | スタート地点(標高) | 最高地点(標高) | 終了地点(標高) | 合計コースタイム | ルート長 | 累積登り / 下り | ルート定数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 木曽駒ヶ岳(桂小場)※将棊頭山経由[長野県 #52] | 5 | B | 桂小場(1,280m) | 木曽駒ヶ岳(2,956m) | 桂小場(1,280m) | 11.6時間 | 19.9km | 1,870m / 1,870m | 46.7 |
| 縦 将棋頭→空木(桂小場・駒ヶ根高原)[長野県 #58] | 8 | C | 桂小場(1,280m) | 木曽駒ヶ岳(2,956m) | 駒ヶ根高原(860m) | 20.9時間 | 29.4km | 2,790m / 3,210m | 76.3 |
1. 桂小場〜大樽避難小屋〜胸突八丁〜西駒山荘〜将棊頭山 クラシックコース(体力度5・技術度B)
伊那市の指定登山口である「桂小場(標高1,280m)」から樹林帯の尾根を登り、五合目の大樽避難小屋、急坂の「胸突八丁(むなつきはっちょう)」を経て稜線上の西駒山荘・将棊頭山(標高2,730m)へ至る王道コースです。
- コースの流れ:
- 桂小場登山口(1,280m・駐車場・トイレ・登山ポスト)→ 野田場(水場)→ 大樽避難小屋(五合目・標高2,050m)→ 胸突八丁 → 胸突ノ頭 → 分水嶺(信濃川・天竜川・木曽川分水嶺)→ 西駒山荘(標高2,685m)→ 遭難記念碑(聖職の碑)→ 将棊頭山(2,730m)→ 馬ノ背 → 木曽駒ヶ岳(2,956m)
- 区間ごとの特徴と注意点:
- 桂小場〜野田場〜大樽避難小屋: 桂小場から沢沿いの林道を少し歩き、カラマツやツガの樹林帯へ入ります。豊富な湧水が出る「野田場」を通過し、ジグザグの登りを経て五合目の**大樽避難小屋(標高2,050m)**に着きます。
- 胸突八丁〜西駒山荘〜将棊頭山: 大樽避難小屋から上は「胸突八丁」と呼ばれる急登が続き、森林限界を抜けると展望が開けた胸突ノ頭・津島神社へと出ます。そこから稜線を南へ進めば**西駒山荘(標高2,685m)に達し、遭難記念碑(聖職の碑)を経てハイマツ帯の将棊頭山山頂(2,730m)**に登頂します(桂小場から将棊頭山までの往復はコースタイム約8時間30分〜9時間30分、木曽駒ヶ岳まで往復する場合は合計11.6時間・19.9km)。
- 馬ノ背〜木曽駒ヶ岳への縦走: 将棊頭山から南へは、花崗岩の白砂とハイマツが美しい「馬ノ背」の稜線が木曽駒ヶ岳(標高2,956m)へと続いており、濃ヶ池(のうがいけ)を巡る周回コースと組み合わせることも可能です。
2. 伊那スキーリゾート〜権現山〜将棊頭山「権現づるね登山道」(経験者向け)
伊那スキーリゾート駐車場(標高約930m)から権現山(標高1,749m)を経て東尾根を登り、西駒山荘・将棊頭山へ至る「権現づるね登山道」も伊那市公式の登山道として紹介されています。明治時代にイギリス人宣教師ウォルター・ウェストンが登った歴史ある古道ですが、標高差が約1,800mと大きく長時間の急登が続くため、伊那市公式案内でも「経験者向き」と位置づけられています。
山小屋・避難小屋・トイレ情報(伊那市公式)
| 施設名 | 位置(標高) | 営業期間・設備・備考 |
|---|---|---|
| 西駒山荘 | 将棊頭山北下(2,685m) | 7月第2土曜日〜10月第2月曜日(スポーツの日)まで有人営業(収容28名・完全予約制)。大正4年(1915年)築の石室は通年避難開放。テント場(約15張)・水場・バイオトイレあり |
| 大樽避難小屋 | 桂小場ルート五合目(2,050m) | 通年開放・無人(収容約10人)。携帯トイレブースあり(入口の箱に協力金500円を入れ携帯トイレを受け取る仕組み) |
アクセス・駐車場情報(伊那市公式)
- 桂小場登山口:
- マイカー: 中央自動車道「伊那IC」から約20分(小黒川スマートICから約15分)。小黒川渓谷キャンプ場の先、林道終点手前に**桂小場駐車場(普通車約20台・無料)**があり、水洗トイレと東屋脇に登山ポストが設置されています。
- 公共交通機関: JR飯田線「伊那市駅」または「伊那北駅」からタクシーで約25〜30分。
- 伊那スキーリゾート登山口(権現づるねコース):
- 中央自動車道「伊那IC」から約15分。伊那スキーリゾート第2駐車場上部に登山者用駐車スペース(6台)と登山ポストがあります。
参考リンク
執筆・確認
山日記編集部
実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。
