
Alpsdake, Wikimedia Commons(Public domain)/合戦尾根から望む餓鬼岳(左奥は鹿島槍ヶ岳)
餓鬼岳 登山ガイド|白沢登山口往復・燕岳縦走コースのグレーディングと餓鬼岳小屋・アクセス情報【2026年】
北アルプス・常念山脈の最北端にそびえる日本二百名山・餓鬼岳(がきだけ・標高2,647.3m)の登山ガイド。長野県山のグレーディングに基づく白沢登山口往復コース(5C)と燕岳〜餓鬼岳縦走コース(6C)、大町市観光協会公式のモデルコース、餓鬼岳小屋や白沢渓谷の渡渉・ハシゴ場の注意点を整理します。
目次
餓鬼岳の概要
餓鬼岳(がきだけ・標高2,647.3m、長野県グレーディング表では2,647m)は、長野県大町市と北安曇郡松川村の境、北アルプス(飛騨山脈)常念山脈の最北端に位置する中部山岳国立公園の山で、「日本二百名山」に選定されています。花崗岩の白い砂礫と奇岩、ハイマツ帯が広がる山頂部からは、高瀬渓谷を挟んで西側に対峙する裏銀座縦走路(烏帽子岳・野口五郎岳・水晶岳・鷲羽岳)や立山・剱岳、後立山連峰(鹿島槍ヶ岳・蓮華岳・針ノ木岳)、南へ連なる東沢岳・燕岳・槍ヶ岳まで360度の展望が広がります(大町市観光協会公式案内)。
一方、主たる登路である大町市側の白沢登山口からは標高差約1,650m・累積登り1,780mの急峻な登りが続き、沢沿いの高巻き・ハシゴ・桟道・鎖場を通過するため、長野県山のグレーディングで体力度5・技術的難易度Cに区分されている健脚・上級者向けの山です。
ルート解説(長野県山のグレーディング・大町市観光協会公式案内)
「長野県山のグレーディング(2026年版)」に掲載されている餓鬼岳関連の2ルートは以下の通りです。
| ルート名 | 体力度 | 技術的難易度 | 合計コースタイム | ルート長 | 累積登り / 下り |
|---|---|---|---|---|---|
| 餓鬼岳(白沢登山口)(往復) | 5 | C | 11.0時間 | 13.6km | 1,780m / 1,780m |
| 【縦】燕岳・餓鬼岳(中房・白沢登山口) | 6 | C | 12.9時間(約12時間54分) | 16.5km | 1,920m / 2,320m |
※体力度5〜6は「1泊〜2泊以上が適当」、技術的難易度Cは「ハシゴ・くさり場、また場所により雪渓や渡渉箇所があり、ミスをすると転落・滑落などの事故になる場所がある。地図読み能力、ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力が必要」なランクです。
1. 白沢登山口 〜 大凪山 〜 餓鬼岳小屋 〜 餓鬼岳 往復コース(1泊2日推奨)
大町市常盤の白沢登山口(標高994m)から白沢の渓谷沿いに入り、桟道やハシゴ・鎖が設置された沢沿いの道を経て「魚止ノ滝」「最終水場」から急登を登り上げ、尾根上の大凪山(おおなぎやま・標高2,079m)・百曲りの急坂を越えて山頂直下の餓鬼岳小屋および**餓鬼岳山頂(標高2,647.3m)**を往復するコースです。
コースデータ(長野県山のグレーディング 2026年版)
- 体力度 / 技術的難易度: 体力度 5 / 難易度 C
- 合計コースタイム: 11.0時間
- ルート長: 13.6km
- 累積標高差: 登り 1,780m / 下り 1,780m
- 主な経由地: 白沢登山口(標高994m) ⇄ 魚止ノ滝 ⇄ 最終水場 ⇄ 大凪山(2,079m) ⇄ 餓鬼岳小屋 ⇄ 餓鬼岳山頂(2,647.3m)
- オプション(唐沢岳往復): 大町市観光協会のモデルコースでは、餓鬼岳小屋に連泊(2泊3日)し、餓鬼岳から「餓鬼のコブ」などの岩場・アップダウンを越えて西隣の**唐沢岳(標高2,632m)**を往復するプランも紹介されています。
2. 中房温泉 〜 燕岳 〜 東沢岳 〜 餓鬼岳 〜 白沢登山口 縦走コース(1泊2日〜2泊3日)
安曇野市の中房温泉(標高1,450m)から合戦尾根を登って燕山荘・燕岳(標高2,763m)へ達し、北燕岳・東沢乗越・東沢岳(標高2,497m)・剣ズリの岩稜を経て餓鬼岳・餓鬼岳小屋へ縦走し、白沢登山口へ下山する(または白沢登山口から登り中房温泉へ下山する)常念山脈北部縦走ルートです。
コースデータ(長野県山のグレーディング 2026年版)
- 体力度 / 技術的難易度: 体力度 6 / 難易度 C
- 合計コースタイム: 12.9時間(約12時間54分)
- ルート長: 16.5km
- 累積標高差: 登り 1,920m / 下り 2,320m
- 主な経由地: 中房温泉(標高1,450m) → 合戦尾根 → 燕山荘・燕岳(2,763m) → 北燕岳 → 東沢乗越 → 東沢岳 → 剣ズリ → 餓鬼岳小屋・餓鬼岳(2,647.3m) → 大凪山 → 最終水場 → 白沢登山口(標高994m)
アクセスと山小屋・登山口情報
1. 白沢登山口(大町市側)
- マイカー・タクシー: 長野自動車道「安曇野IC」から国道147号(大町街道)を北上し、大町市「上一」交差点付近から西へ入って白沢登山口へ。JR大糸線「信濃大町駅」または「安曇沓掛駅」からはタクシー利用となります(路線バスの乗り入れはありません)。
- 駐車スペースと登山ポスト: 白沢登山口付近に駐車スペース(路肩スペース)および長野県指定登山口の登山ポストがあります。台数が限られるため、他の車両の通行を妨げないよう駐車し、必ず登山計画書(登山届)を提出してください。
2. 餓鬼岳小屋
- 餓鬼岳山頂のすぐ北側直下に位置する山小屋です。営業期間・宿泊予約(完全予約制等)・テント場の有無については、シーズンごとに変更される場合があるため、必ず出発前に公式案内で最新情報を確認してください。
見どころ
1. 裏銀座と槍・穂高・立山・後立山を一望する360度の山頂展望
大町市観光協会が「裏銀座一望!北アルプスの隠れた名峰」と紹介する通り、餓鬼岳山頂からは高瀬渓谷の対岸に連なる烏帽子岳〜野口五郎岳〜水晶岳〜鷲羽岳の裏銀座主稜線を正面に望み、南には燕岳から大天井岳・槍ヶ岳へと続く稜線を見渡すことができます。
2. 花崗岩の白砂とコマクサの群生
餓鬼岳周辺から北燕岳・唐沢岳にかけての稜線には花崗岩の風化した白い砂礫地が広がり、7月中旬〜8月上旬にはコマクサの群落やチングルマ、イワギキョウなどの高山植物が見られます。
注意点と安全登山のポイント
1. 白沢渓谷沿いの桟道・ハシゴと増水時のリスク
白沢登山口から最終水場にかけての渓谷沿いルートには、濡れて滑りやすい木製の桟道やハシゴ、鎖が設置された高巻き箇所が連続します。大雨時や融雪期は沢の増水により通行困難となる恐れがあるため、気象情報を厳重に確認し、雨天時は入山を控えてください。
2. 東沢乗越〜餓鬼岳間(剣ズリ周辺)の岩稜と長距離行動
燕岳〜餓鬼岳間の縦走路は利用者が比較的少なく、東沢岳前後の急登や「剣ズリ」周辺の切れ落ちた岩場・ハシゴ・鎖場を通過します。ヘルメットを着用し、早い時間帯に山小屋へ到着できる余裕のある行程を組んでください。
参考リンク
執筆・確認
山日記編集部
実際の山行記録や公的機関・自治体の最新情報をもとに、登山ルート・装備・安全対策をわかりやすく整理して発信しています。 登山道・交通・施設情報は変わるため、記事公開後も必要に応じて更新し、最新確認先も案内しています。
